キャリアのトビラ

20代の転職理由の作り方|ネガティブ理由を前向きに変換する方法

20代の転職理由の作り方|ネガティブ理由を前向きに変換する方法

2026年10月08日 12:55

「給料が低いから転職したい」

「残業が多く、このまま働き続けるのがつらい」

「上司や職場の人間関係が合わない」

「今の仕事内容にやりがいを感じられない」

転職を考えるきっかけが、このようなネガティブな理由という20代は少なくありません。

しかし、転職活動を始めようとすると、

「こんな理由では印象が悪いのでは?」

「面接では前向きな理由に言い換えた方がいい?」

と悩むこともあるでしょう。

大切なのは、ネガティブな本音を隠して、無理に「成長したい」「新しいことに挑戦したい」と言い換えることではありません。

なぜ今の状況を変えたいのかを整理し、転職によって何を変えたいのかまで考えることです。

例えば、「給料が低い」という不満があったとしても、

「生活が苦しい」

「仕事量や責任に対して評価が見合っていないと感じる」

「今後も昇給が期待できず、将来が不安」

では、転職で求めるものが変わります。

この記事では、

・ネガティブな転職理由をどう考えればよいのか
・退職理由・転職理由・志望動機の違い
・本音の不満から転職理由を作る方法
・20代に多い転職理由の整理方法と回答例
・転職理由を作るときに避けたい考え方

を分かりやすく解説します。

「面接で受けそうな転職理由」を考える前に、まずは自分が転職によって何を変えたいのかを整理していきましょう。



30秒でわかるこの記事の結論

・転職を考えるきっかけがネガティブでも、無理に隠す必要はない
・「給料が低い→成長したい」のように、本音と違う理由へ置き換えない
・不満だけで終わらせず「転職で何を変えたいのか」まで考える
・前職や上司への批判ではなく、自分がこれから実現したいことへ話を進める
・転職理由と志望動機には一貫性を持たせる
・応募先で本当に実現できる内容なのかも確認する

ネガティブな転職理由を前向きに変換するとは、本音をきれいな言葉に置き換えることではなく、その不満の先にある希望を具体化することです。



20代の転職理由はネガティブでも問題ない?

転職理由を考えるとき、

「前向きな理由でなければいけない」

と思っている人もいるかもしれません。

しかし、そもそも現在の仕事に何らかの不満や違和感があるからこそ、転職を考えることは珍しくありません。

重要なのは、ネガティブなきっかけがあることではなく、その不満をどのように整理し、転職先選びにつなげるかです。

① 転職を考えるきっかけは不満でもよい

転職を考える理由には、

・給与が低い
・残業が多い
・休日が少ない
・人間関係が合わない
・仕事内容が合わない
・評価に納得できない
・将来性に不安がある
・希望する仕事を任せてもらえない

など、さまざまなものがあります。

こうした不満を感じること自体を、「転職理由として悪い」と考える必要はありません。

むしろ、自分が何に不満を感じているのかは、転職先を選ぶための重要な材料になります。

例えば、残業の多さに悩んでいるのであれば、

「残業が嫌だから辞めたい」

だけで終わらせず、

「なぜ今の働き方を変えたいのか」

まで考えます。

勉強する時間を確保したいのか。

家族やプライベートとの時間を大切にしたいのか。

長く働き続けられる環境を求めているのか。

同じ「残業が多い」という不満でも、その先に求めているものは人によって違います。

ここまで考えることで、転職先で確認すべき条件も見えてきます。

② ネガティブな理由をそのまま伝えることとは別

ネガティブな理由が転職のきっかけでもよいからといって、面接で感じている不満をそのまま伝えればよいという意味ではありません。

例えば、

「上司が嫌いなので辞めたいです」

「給料が安すぎるので転職します」

「残業ばかりで会社に不満があります」

と伝えるだけでは、

「転職先では何を求めているのか」

「環境が変われば長く働けそうなのか」

という部分が分かりません。

まずは本音を否定せず書き出したうえで、

なぜそれが不満なのか
↓
何を変えたいのか
↓
転職先ではどのように働きたいのか

まで整理します。

「本音を隠す」のではなく、本音を転職先選びにつながるところまで掘り下げると考えると分かりやすいでしょう。

③ 無理に「成長したい」に変える必要はない

ネガティブな転職理由を前向きにしようとして、

「給料が低い」
→「もっと成長したい」

「残業が多い」
→「新しい環境に挑戦したい」

「人間関係が悪い」
→「チームワークを大切にしたい」

と機械的に言い換えてしまうことがあります。

しかし、本当は給与や働き方を改善したいのに、「成長したい」とだけ伝えても、自分の転職先選びには役立ちません。

さらに、応募先を選んだ理由とのつながりが弱くなることもあります。

例えば、給与への不満が、

「担当する仕事や成果が増えても評価がほとんど変わらない」

ということなのであれば、

「これまでの経験を活かしながら担当できる仕事の幅を広げ、役割や成果が評価につながる環境で働きたい」

と整理することができます。

これは単にポジティブな言葉へ置き換えたのではありません。

不満の原因から、自分が転職で変えたいことを具体化した結果です。

転職理由は、企業に良く見せるためだけに作るものではありません。

自分が次の会社を選ぶ基準を明確にするためにも、一度本音から考えることが大切です。



転職理由と退職理由・志望動機の違い

転職活動では、

「退職理由」

「転職理由」

「志望動機」

という似た言葉が出てきます。

それぞれを完全に別の話として考えると、回答に一貫性がなくなりやすいため、まず役割を整理しておきましょう。

① 退職理由=なぜ今の会社を辞めたいのか

退職理由は、現在または以前の会社を辞めようと考えた理由です。

例えば、

「残業時間が多く、今後も働き方を変えることが難しいと考えた」

「現在の業務では希望する仕事を経験する機会が少ない」

など、転職を考えるきっかけに近い部分です。

ここでは、まず「なぜ今の会社を離れたいのか」を整理します。

② 転職理由=転職によって何を変えたいのか

退職理由だけでは、

「なぜ辞めたいのか」

までしか分かりません。

そこで考えたいのが、

辞めた後、何を変えたいのか

です。

例えば、

「残業が多いから辞めたい」

が退職理由なら、

「業務時間を効率的に使いながら、継続して専門知識を身につけられる働き方をしたい」

というように、次の環境で実現したいことまで考えます。

また、

「希望する仕事を任せてもらえない」

のであれば、

「これまでの経験を活かしながら、○○の業務経験を積んで専門性を高めたい」

と整理できるかもしれません。

転職理由を考えることで、求人を見るときの判断基準も具体的になります。

③ 志望動機=なぜその会社・仕事を選ぶのか

転職理由が整理できたら、

「では、なぜその会社へ応募するのか」

を考えます。

これが志望動機です。

例えば、

退職理由
現在の職場では○○の業務に携わる機会が少ない

転職理由
今後は○○の経験を積み、専門性を高めたい

志望動機
応募企業では○○の業務を担当でき、これまでの△△の経験も活かせると考えた

というようにつながります。

志望動機だけをゼロから考えるのではなく、転職理由からつなげて考えることで、「なぜこの会社なのか」を整理しやすくなります。

3つを別々に作らず一つの流れにする

退職理由・転職理由・志望動機は、それぞれ質問される内容は違います。

ただし、根本にある自分の考えはつながっています。

整理すると、

現職で感じている問題・違和感
↓
なぜ転職したいのか
↓
転職によって何を変えたいのか
↓
その希望を実現するために、なぜこの企業を選ぶのか

という流れです。

この流れが整理できていれば、面接用に別々の「正解」を作る必要はありません。

反対に、

退職理由では「働き方を変えたい」

転職理由では「専門性を高めたい」

志望動機では「企業理念に共感した」

と、それぞれを別々に考えてしまうと、自分が転職で何を実現したいのか分かりにくくなることがあります。

まずは面接でどう話すかより、自分の転職に一本の筋が通っているかを確認してみましょう。

転職理由の役割が分かったら、実際に自分の本音から転職理由を組み立てていきます。

次の章では、「給料が低い」「残業が多い」「仕事内容が合わない」といった本音を出発点に、転職理由へ整理する具体的な4STEPを解説します。



ネガティブな転職理由を前向きに整理する4STEP

ここからは、実際に転職理由を作っていきます。

最初から面接で話せるきれいな文章を作る必要はありません。

まず本音をそのまま書き出し、

本音の不満
↓
なぜ不満なのか
↓
転職で何を変えたいのか
↓
次の仕事で何を実現したいのか

という順番で整理していきましょう。

STEP1|本音の転職理由を書き出す

最初は、人に見せることを考えず、本音を書き出します。

例えば、

・給料が低い
・残業が多い
・上司と合わない
・仕事がつまらない
・評価に納得できない
・希望する仕事を任せてもらえない
・将来が不安
・もっと休みがほしい

などです。

この段階で、

「こんな理由では印象が悪い」

と修正する必要はありません。

本音を隠してしまうと、そもそも自分が何を変えるために転職するのか分からなくなるからです。

複数ある場合は、すべて書き出して構いません。

そのうえで、

「これが変わらなければ、転職しても同じように悩みそう」

と思うものを探してみましょう。

STEP2|「何が嫌なのか」を具体化する

本音を書き出したら、「なぜ?」を一段掘り下げます。

例えば、

「給料が低い」

だけでは、何を改善したいのかまだ分かりません。

・生活に余裕を持てる収入が必要
・仕事量や責任に対して給与が見合っていない
・成果を出しても評価や給与に反映されない
・今後の昇給が期待できず将来が不安

では、転職先に求める条件が違います。

「人間関係が悪い」という場合も同じです。

・上司から十分な指示を受けられない
・相談しにくい雰囲気がある
・個人で仕事を進めることが多く、周囲と協力しにくい
・特定の人との関係に悩んでいる

など、状況を具体化します。

ここでは「会社が悪い」「上司が悪い」と結論づけるのではなく、自分がどのような状況に不満を感じているのかを確認することが目的です。

STEP3|転職によって何を変えたいのか考える

不満の原因が見えてきたら、その反対側にある希望を考えます。

例えば、

残業が多い
↓
平日は仕事だけで終わってしまう
↓
働き方を見直し、勉強や私生活にも継続して時間を使える環境にしたい

という形です。

あるいは、

希望する仕事を任せてもらえない
↓
現在の部署では希望業務を経験できる機会が少ない
↓
これまでの経験を活かしながら、希望する業務の経験を積みたい

と整理できるかもしれません。

ここまで考えると、単なる「辞めたい理由」から「転職する目的」へ変わってきます。

ただし、

「今の仕事は辞めたい。でも、辞めた後に何をしたいのか分からない」

という場合は、無理に転職理由を完成させる必要はありません。

転職先が決まっていない状態で退職することも選択肢ではありますが、焦って次の会社を選ぶと、今と同じ不満を抱える可能性もあります。

辞めたい気持ちはあるものの、その先の方向性が見えていない方は、「20代で仕事を辞めたいけど次がない人へ|後悔しない行動手順」もあわせて参考にしてください。

STEP4|応募先で本当に実現できるか確認する

最後に確認したいのが、

自分が変えたいことを、その応募先で本当に実現できるのか

という点です。

例えば、

「残業を減らし、継続して勉強できる働き方をしたい」

と考えているのであれば、求人票の勤務時間だけでなく、実際の業務内容や繁忙期なども確認する必要があります。

「成果を評価してもらえる環境で働きたい」のであれば、評価制度や昇給の仕組みを確認します。

「顧客と長期的に関係を築く営業がしたい」のであれば、その会社の営業スタイルや顧客との関わり方を確認します。

転職理由を作る目的は、面接で答えるためだけではありません。

自分に合う転職先を見極めるための基準を作ることにもつながります。

4STEPで整理すると転職理由はどう変わる?

例えば、本音が、

「給料が低いから転職したい」

だったとします。

これを4STEPで整理すると、

本音
給料が低い

不満の具体化
担当業務が増えても評価や給与がほとんど変わらない

転職で変えたいこと
経験や役割に応じて評価される環境で働きたい

次の仕事で実現したいこと
これまでの経験を活かしながら担当範囲を広げ、成果や役割に応じて評価される環境で働きたい

というところまで整理できます。

「給料が低い」を「成長したい」に置き換えたわけではありません。

なぜ給与に不満があるのかを掘り下げた結果、自分が転職先に求めているものが具体的になったということです。



20代に多いネガティブな転職理由の整理方法と回答例

ここからは、20代が転職を考えるときに出てきやすい理由を例に、どのように整理すればよいかを見ていきます。

回答例は、そのまま使うためのものではありません。

「本音からどのように転職で実現したいことまでつなげているのか」を参考にしてください。

① 給与が低い・評価に不満がある

給与への不満が転職のきっかけになることはあります。

ただし、「もっと給料がほしい」だけでは、転職先を選ぶ基準としては十分ではありません。

まず、

・現在の給与水準そのものが問題なのか
・昇給がほとんどないことが問題なのか
・仕事量や責任と評価が見合っていないのか
・成果が評価へ反映されないことが不満なのか

を整理します。

【回答例】

「現在は担当業務の幅が広がってきましたが、役割や成果が評価に反映される機会が限られています。今後はこれまでの経験を活かしながら担当できる仕事を増やし、役割や成果に応じて評価される環境で経験を積みたいと考え、転職を検討しています。」

給与への希望を隠すのではなく、自分がどのような評価や働き方を求めているのかまで考えることがポイントです。

② 残業が多い・休日が少ない

働く時間や休日を理由に転職する場合も、

「楽な会社へ行きたい」

と無理に理由を変える必要はありません。

まずは、

「なぜ現在の働き方を変えたいのか」

を考えます。

例えば、

・長時間労働が続き、長期的に働くことへ不安がある
・仕事以外の勉強時間を確保したい
・生活リズムを整えたい
・家庭との両立を考えたい

などです。

【回答例】

「現在は長時間勤務になる日が多く、今後長く働き続けることを考えたときに働き方を見直したいと考えるようになりました。仕事には責任を持って取り組みながら、継続して知識を身につけられる時間も確保し、長期的に経験を積める環境で働きたいと考えています。」

ここでも、単に「残業が嫌だから」ではなく、働き方を変えて何を実現したいのかまで説明します。

③ 人間関係が合わない

人間関係は、転職理由として特に伝え方に悩みやすいものです。

「上司と合わない」

「職場の雰囲気が悪い」

という本音があったとしても、それだけでは次の会社で何を求めるのか分かりません。

例えば、

・相談や情報共有をしながら仕事を進めたい
・役割や指示が明確な環境で働きたい
・チームで協力しながら仕事を進めたい

など、自分が働きやすい環境を具体化します。

【回答例】

「現在の仕事を経験する中で、周囲と情報共有しながら仕事を進めることが、自分にとって働きやすさだけでなく業務を円滑に進めるうえでも重要だと感じるようになりました。今後は周囲と連携しながら業務を進められる環境で、自分の経験を活かしていきたいと考えています。」

ただし、実際に特定の上司との関係だけが問題なのであれば、転職以外に異動や相談によって状況を変えられないか検討することも必要です。

④ 仕事内容が合わない・やりがいを感じない

「今の仕事が向いていない」

「仕事がつまらない」

という理由で転職を考える場合は、特に原因を分けて考えることが重要です。

なぜなら、

仕事そのものが合っていないのか、今の職場や担当業務が合っていないのか

によって、転職先の選び方が大きく変わるからです。

例えば営業職が合わないと感じていても、

・新規開拓が苦手
・数字を追うことが苦手
・扱っている商品に興味を持てない
・顧客と関係を築くこと自体は好き

という場合では、考えられる選択肢が違います。

「仕事が向いていない」と感じた時点で職種そのものを変えるのではなく、まず何が合っていないのかを整理しましょう。

詳しい考え方は、「20代で仕事が向いていないと感じたら?転職前に確認すべきこと」でも解説しています。あわせて参考にしてください。

【回答例】

「現在の仕事を経験する中で、○○よりも△△に取り組むときに自分の強みを活かせると感じるようになりました。今後はこれまで身につけた○○の経験も活かしながら、△△により深く関われる仕事へ挑戦したいと考えています。」

「向いていないから辞める」で終わらず、実際に働いたからこそ分かった自分の得意・不得意を、次の職種選びにつなげることが大切です。

⑤ 成長できない・スキルが身につかない

「今の会社では成長できない」という転職理由も、もう一段具体化したいところです。

まず、

自分にとって「成長」とは何なのか

を考えてみましょう。

・専門知識を身につけたい
・顧客への提案力を高めたい
・より幅広い業務を担当したい
・マネジメント経験を積みたい
・市場価値につながる専門性を身につけたい

など、人によって意味は違います。

【回答例】

「現在は○○を中心に担当していますが、今後のキャリアを考えたときに△△の経験も身につけたいと考えるようになりました。これまで培った○○の経験を活かしながら、△△まで担当できる環境で仕事の幅を広げたいと考えています。」

「成長したい」という言葉だけで終わらせず、何ができるようになりたいのかまで具体化しましょう。

⑥ 会社の将来性が不安

会社や業界の将来に不安を感じ、転職を考えることもあります。

この場合も、

「会社が危なそうだから辞めたい」

だけで終わらせず、

「今後どのようなキャリアを作りたいのか」

まで考えます。

例えば、

・将来も需要が見込める分野で経験を積みたい
・一つの会社だけでなく他社でも活かせる専門性を身につけたい
・今後伸ばしたい分野の仕事へ移りたい

などです。

【回答例】

「現在の仕事を続ける中で、今後のキャリアを考える機会が増えました。これまでの○○の経験を活かしながら、今後は△△の分野についても知識や経験を身につけ、長期的に専門性を高めていきたいと考えています。」

ただし、「将来性がありそう」という理由だけで未経験の業界や職種を選ぶのも注意が必要です。

実際の仕事内容や必要なスキルまで確認したうえで、自分がそこで経験を積んでいきたいのかを考えましょう。

転職理由は「印象のよい回答例」を選ぶものではない

ここまで複数の回答例を紹介しましたが、自分に近い文章をそのまま使う必要はありません。

例えば、給与が本当の転職理由なのに、

「成長できない」の回答例の方が印象がよさそうだから使う

という考え方では、本来の転職目的とずれてしまいます。

大切なのは、

自分が何に不満を感じているのか
↓
なぜそれを変えたいのか
↓
次の会社では何を実現したいのか

を自分の経験に合わせて整理することです。

ここまで転職理由を作れたら、最後に「伝え方を整える過程で、本音と違う理由になっていないか」も確認する必要があります。

次の章では、20代が転職理由を作るときに避けたい考え方を具体的に解説します。



転職理由を作るときに避けたい考え方

ネガティブな転職理由を前向きに伝えようとすると、いつの間にか本音とは違う理由になってしまうことがあります。

転職理由は、企業から良く見られるためだけに作るものではありません。

自分が次の会社で同じ悩みを繰り返さないためにも、次のような考え方には注意しましょう。

① 本音と違う転職理由を作る

「本当の理由を言ったら印象が悪そう」

と考え、本音とはまったく違う転職理由を作るのは避けましょう。

例えば、本当は働き方を変えたいのに、

「より高い目標に挑戦したい」

という理由を作ったとします。

その理由に合わせて企業を選んでしまえば、転職後も働き方の問題が解決しない可能性があります。

もちろん、本音をすべてそのまま面接で話す必要はありません。

重要なのは、

本音を隠すことと、伝え方を整理することは違う

ということです。

「残業が多い」という本音があるなら、なぜ働き方を変えたいのかまで掘り下げます。

そのうえで、自分が次の会社に求める働き方を転職理由として整理しましょう。

② 何でも「成長したい」に変換する

転職理由を前向きにしようとして、

「成長したい」

「スキルアップしたい」

という言葉を使うことがあります。

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。

ただし、どのように成長したいのか説明できなければ、転職先を選ぶ基準にはなりません。

例えば、

「営業として成長したい」

のであれば、

・新規開拓の経験を積みたい
・法人への提案力を高めたい
・特定業界の知識を身につけたい
・既存顧客との長期的な関係構築を経験したい

など、具体的に考えます。

また、本当は給与や働き方を変えたいのであれば、無理に「成長」という言葉へ置き換える必要もありません。

自分が本当に変えたいことを具体化した結果として、成長したいことが見つかるのかを確認しましょう。

③ 前職・上司・同僚への批判が中心になる

転職を考えるほど悩んでいる場合、会社や上司への不満が強くなることもあります。

しかし、転職理由を、

「上司が何も教えてくれなかった」

「会社の評価制度がおかしかった」

「同僚と合わなかった」

と相手への批判だけで終わらせると、自分が次に何を求めているのかが見えません。

まず事実と自分の感情を分けて整理してみましょう。

例えば、

「上司が何も教えてくれない」

ではなく、

「業務について相談や確認が必要な場面でも、一人で判断することが多かった」

と状況を整理します。

そのうえで、

「今後は周囲と情報共有しながら仕事を進め、自分自身も経験を積んでいきたい」

と考えれば、転職先に求める環境が見えてきます。

前職を良く見せる必要はありませんが、批判ではなく、自分が今後どう働きたいのかへ話を進めることが大切です。

④ 条件面の希望だけで終わる

給与・休日・勤務地・残業時間などは、転職先を選ぶうえで重要な条件です。

そのため、

「給与を上げたい」

「土日休みにしたい」

「残業を減らしたい」

と考えること自体に問題はありません。

ただし、転職理由を条件だけで考えると、仕事内容や今後のキャリアとの相性を見落とすことがあります。

例えば、

「土日休みの仕事へ転職したい」

のであれば、

「土日休みなら職種は何でもよい」

と考えるのではなく、

・これまでの経験をどこで活かせるか
・どのような仕事なら続けられそうか
・今後どのような経験を身につけたいか

も一緒に考えます。

条件と仕事内容の両方を確認して転職先を選ぶことが、転職後のミスマッチを減らすためには重要です。

⑤ 応募企業では実現できないことを転職理由にする

転職理由が前向きに整理できていても、その内容を応募先で実現できなければ、企業選びとのつながりが弱くなります。

例えば、

「顧客と長期的に関係を築ける営業がしたい」

という転職理由なのに、応募先が新規顧客の獲得を中心とした営業職であれば、自分の希望と仕事内容が合っているか確認する必要があります。

同様に、

「専門性を高めたい」

と考えているのであれば、実際にどのような業務を担当し、どのような経験を積めるのかを確認します。

転職理由を作った後は、

「この会社なら実現できそう」ではなく、「なぜ実現できると考えたのか」

まで求人情報や面接などで確認することが大切です。



作った転職理由が妥当か確認する4つのポイント

転職理由を文章にできたら、すぐに完成とせず、一度内容を見直してみましょう。

難しく考える必要はありません。

次の4つに答えられるか確認します。

① 事実とずれていないか

最初に、自分が実際に経験したことと転職理由がずれていないか確認します。

前向きに見せようとして、

・担当していない仕事を担当したことにする
・実際にはない制度や環境への不満を加える
・本当は考えていないキャリア目標を作る

必要はありません。

面接で詳しく聞かれたときにも、自分の経験として説明できる内容になっていることが大切です。

「企業からどう見えるか」だけでなく、

これは本当に自分が転職したい理由なのか

と自分自身に問い直してみましょう。

② 「なぜ転職するのか」が説明できているか

転職理由を読んだとき、

「それなら、なぜ今の会社ではなく転職する必要があるのか」

が分かるか確認します。

例えば、

「もっと成長したいから転職します」

だけでは、現在の会社ではなぜ実現できないのかが分かりません。

一方で、

「現在は○○を中心に担当していますが、今後は△△まで経験を広げたいと考えています。現在の部署では△△を担当する機会が限られているため、これまでの○○の経験を活かしながら△△にも携われる環境へ転職したいと考えています」

と整理すれば、転職する理由までつながります。

ただし、「今の会社では絶対に無理」と決めつける前に、異動や担当変更などで実現できないか確認する視点も持っておきましょう。

③ 次の会社で実現したいことにつながっているか

転職理由が、

「今の会社を辞めたい理由」

だけで終わっていないか確認します。

例えば、

「残業が多いので転職したい」

だけでは、退職理由に近い状態です。

そこから、

「働き方を見直し、長期的に仕事を続けながら○○の経験を積みたい」

など、転職後に実現したいことまで考えます。

転職活動では、今の会社から離れることだけではなく、その後どのように働きたいのかを考えることが重要です。

④ 応募先を選んだ理由と矛盾していないか

最後に、転職理由と応募先の仕事内容や環境を照らし合わせます。

例えば、

転職理由
「より顧客と深く関われる仕事をしたい」

応募先
顧客との接点がほとんどない仕事

であれば、転職理由と企業選びが一致していません。

反対に、

転職理由
「接客経験を活かしながら、顧客の課題を聞いて提案する仕事へ進みたい」

応募先
顧客へのヒアリングと提案を行う営業職

であれば、転職理由と応募先を選ぶ理由をつなげやすくなります。

ここまで確認できたら、

退職理由
→ 転職理由
→ 応募先を選ぶ理由

を続けて説明してみましょう。

途中で話がつながらなくなる場合は、どこかを無理に作っている可能性があります。

転職理由は、一度文章を作って終わりではありません。

求人を見たり企業について調べたりする中で、

「自分が本当に変えたいのはここだった」

と気づくこともあります。

その場合は、無理に最初の転職理由へ合わせず、もう一度整理し直して構いません。

自分の転職理由を整理できれば、応募先も「なんとなく良さそうな会社」ではなく、自分が転職で実現したいことに合っているかという視点で選びやすくなります。

それでも、

「本音は分かるけれど、転職理由としてうまく整理できない」

「自分が転職で何を変えたいのか分からない」

という場合もあるでしょう。

次の章では、転職理由を一人で整理するのが難しい20代に向けて、キャリアのトビラでどのような相談ができるのかを紹介します。



20代で転職理由をうまく整理できないならキャリアのトビラへ

ここまで紹介した方法で考えても、

「不満はたくさん出てくるけれど、何を一番変えたいのか分からない」

「今の会社を辞めたい気持ちはあるけれど、次に何をしたいのか決まっていない」

「面接でどう話せばよいか考えるうちに、本音とは違う転職理由になってしまう」

という20代もいるでしょう。

転職理由は、必ずしも最初からきれいに整理できるものではありません。

特に、今の仕事への不満がいくつも重なっている場合は、

「会社を辞めたい理由」と「転職によって実現したいこと」

が混ざってしまうことがあります。

キャリアのトビラでは、20代・第二新卒の転職相談に対応しています。

転職理由を整理するときも、面接で印象がよさそうな回答を最初から作るのではなく、

・現在の仕事で何に悩んでいるのか
・なぜそれを変えたいと感じているのか
・これまでどのような仕事を経験してきたのか
・転職後はどのような仕事や働き方をしたいのか
・希望する転職先でそれを実現できるのか

を一緒に整理していきます。

また、今回の転職で目の前の不満を解消することだけではなく、30代でどのようなキャリアを目指したいのかという視点も大切です。

例えば、

「残業が少ない会社へ行きたい」

という希望があったとしても、条件だけで転職先を決めるのではなく、

「その環境でどのような経験を積めるのか」

「数年後にどのような仕事ができるようになりたいのか」

まで考えることで、転職先の選び方も変わります。

転職することが必ず正解とは限りません。

今の会社でも希望する経験を積める可能性があるなら、すぐに転職せず、もう少し経験を積むという選択肢もあります。

一人で考えても転職理由がまとまらない場合は、誰かに話しながら自分の考えを整理する方法もあります。

キャリアのトビラではLINEで相談でき、平日夜や土日の相談にも対応しています。

転職する方向が決まった後は、職務経歴書などの書類添削や面接対策、入社後のフォローにも対応しています。

「面接で何と答えればよいか」を考える前に、まずは自分が今回の転職で何を変えたいのかから整理してみてください。



まとめ|ネガティブな転職理由は「言い換える」より「その先」を考えよう

20代で転職を考えるきっかけは、必ずしも前向きなものだけではありません。

・給料が低い
・残業が多い
・人間関係が合わない
・仕事内容が向いていない
・評価に納得できない
・成長できないと感じる
・会社の将来性が不安

など、今の仕事への不満から転職を考えることもあります。

大切なのは、こうした本音を無理に隠すことではありません。

一方で、

「給料が低いから辞めたい」

「上司と合わないから転職したい」

と不満だけで終わらせても、次の会社で何を変えたいのかは見えてきません。

転職理由を作るときは、

本音の不満
↓
なぜそれが不満なのか
↓
転職によって何を変えたいのか
↓
次の仕事で何を実現したいのか

という順番で考えてみましょう。

例えば、

「給料が低い」

という本音があっても、その背景が、

「担当する仕事や責任が増えても評価が変わらない」

のであれば、

「経験や役割に応じて評価される環境で、担当できる仕事を広げていきたい」

という転職理由につながるかもしれません。

これは、ネガティブな理由を無理にポジティブな言葉へ置き換えたわけではありません。

自分が何を変えたいのかを具体的にした結果です。

また、転職理由だけを単独で考えないことも重要です。

なぜ今の会社を辞めたいのか
↓
転職で何を変えたいのか
↓
なぜその会社・仕事を選ぶのか

までつながっていれば、自分の転職先選びにも一貫した基準を持ちやすくなります。

転職理由は、企業から評価されるためだけに作るものではありません。

自分が同じ悩みを繰り返さないために、次の会社を選ぶ基準を明確にするものでもあります。

「印象のよい転職理由」を探す前に、まずは今の仕事で感じている不満をそのまま書き出してみてください。

そして、

「それを変えた先で、自分はどう働きたいのか」

まで考えてみましょう。

<この記事から次に読むおすすめ記事>

転職理由を整理して「次の会社では何を変えたいのか」が見えてきたら、その希望を実現できる求人かどうかを確認することも大切です。

仕事内容や給与、勤務条件など、求人を見るときにどこを確認すればよいのか迷っている方は、「20代が転職で見るべき求人票のポイント|危ない求人の見分け方」もあわせて参考にしてください。