
20代の転職で離職率・定着率を確認する方法|数字の期間・対象・理由を見る
2026年10月09日 13:36
「長く働ける会社へ転職したい」
「人がすぐに辞める会社は避けたい」
このように考えて、離職率や定着率を確認したい20代もいるでしょう。
離職率や定着率は、社員が会社へ残っている状況を知る一つの材料です。
ただし、数字が低い、または高いという結果だけでは、会社の良し悪しは判断できません。
集計期間、対象となる社員、採用人数によって数字は変わります。退職理由も、職場への不満だけでなく、契約満了、転居、独立などさまざまです。
この記事では、離職率・定着率の基本的な見方、情報の調べ方、面接での質問例を解説します。
数字だけで結論を出さず、自分が応募する職種や配属先の実態とあわせて確認しましょう。
30秒でわかるこの記事の結論
離職率や定着率を見るときは、次の点を確認することが大切です。
何年間または何か月間の数字か
新卒、中途、正社員など、誰を対象にした数字か
会社全体か、応募する部署・職種の数字か
採用人数と退職人数は何人か
退職が多い時期や理由に傾向があるか
数字を改善するために何を行っているか
定着率が高ければ必ず自分に合う会社とは限りません。
反対に、離職率が高く見えても、採用人数が少ないため一人の退職で割合が大きく動いている場合があります。
数字の定義と背景を確認し、仕事内容、残業、休日、教育体制、評価制度などと合わせて判断しましょう。
離職率と定着率の違い
離職率と定着率は、一定期間に社員が辞めた割合、または残った割合を示すために使われます。
ただし、すべての会社が同じ計算方法を使っているとは限りません。
求人票に数字が書かれている場合は、割合だけでなく、計算の対象と期間を確認しましょう。
離職率
離職率は、一定期間内に退職した人の割合を表す数字です。
たとえば、年度初めの在籍者を基準にする方法、一定期間内の平均在籍者数を基準にする方法、採用者のうち退職した人を見る方法などがあります。
計算方法が違えば、同じ会社でも数字が変わります。
「離職率10%」という数字だけではなく、誰を分母にしているかを確認することが重要です。
定着率
定着率は、入社した人や在籍していた人のうち、一定期間後も働いている人の割合を表すために使われます。
「入社1年後の定着率」と「入社3年後の定着率」では意味が異なります。
また、新卒社員だけを対象とする場合と、中途入社者を含める場合があります。
100から引けば必ず同じになるとは限らない
同じ期間と同じ対象者で計算していれば、離職率と定着率は対応することがあります。
しかし、会社が別の期間や対象者を使っている場合、単純に100から離職率を引けば定着率になるとは限りません。
二つの数字を比較するときは、計算条件が揃っているか確認してください。
数字を見るときに確認したい5つの項目
離職率・定着率を判断材料にするには、数字の前提を確認する必要があります。
特に次の5項目を見ておきましょう。
1.集計期間
直近1年間なのか、過去3年間なのか、入社後半年なのかを確認します。
短い期間だけを切り取った数字は、一時的な組織変更や採用増加の影響を受けやすくなります。
一方、長期間の平均だけでは、最近の改善や悪化が見えにくいことがあります。
可能であれば、対象期間と最近の傾向をあわせて確認しましょう。
2.対象となる社員
新卒採用者だけ、中途採用者だけ、正社員全体など、数字の対象を確認します。
20代の中途採用で応募するなら、会社全体の数字だけでなく、中途入社者や同じ職種の状況を知る方が参考になります。
契約社員やパート・アルバイトが含まれているかによっても数字は変わります。
3.会社全体か配属先か
会社全体の定着率が高くても、特定の部署や職種で退職が続いている可能性があります。
反対に、会社全体では離職者が多くても、応募する部署では長く働く人が多い場合もあります。
可能な範囲で、配属予定の部署や応募職種の状況を確認しましょう。
4.採用人数と退職人数
割合だけでなく、実際の人数を見ることも大切です。
10人採用して1人が辞めた場合と、2人採用して1人が辞めた場合では、同じ一人の退職でも割合は大きく異なります。
小規模な会社や採用人数が少ない職種では、数人の入退社で離職率が大きく動きます。
数字が高い、低いという印象だけで判断しないようにしましょう。
5.退職に含まれる範囲
自己都合退職だけを数えているのか、定年退職、契約満了、会社都合退職などを含むのか確認します。
退職理由を一人ずつ詳しく聞くことはできませんが、どのような退職を集計に含めているかで数字の意味は変わります。
離職率・定着率を調べる方法
すべての中途採用求人に、離職率や定着率が掲載されているわけではありません。
複数の情報源を使い、分かる範囲で確認しましょう。
求人票と採用ページ
求人票の福利厚生欄、会社情報、募集背景、社員紹介などを確認します。
「定着率〇%」と記載されている場合は、数字の近くに小さく書かれた対象期間や対象者も読みましょう。
「直近1年間」「入社後3年間」「中途入社者」などの説明がなければ、選考のなかで確認します。
若者雇用に関する職場情報
若者向けの求人では、過去3年間の新卒採用者数・離職者数や平均勤続年数などの職場情報が提供されている場合があります。
ただし、新卒採用者の情報が、そのまま中途採用者や応募職種の状況を示すわけではありません。
会社の傾向を知る材料の一つとして使いましょう。
企業の公開資料
企業によっては、人的資本に関する資料、採用資料、会社説明資料などで離職率や定着状況を公表しています。
数字を見つけたら、公表された時期、対象となる従業員、算出方法を確認してください。
数年前の数字を現在の状況として扱わないように注意しましょう。
口コミは事実として断定しない
口コミでは、退職理由や職場の雰囲気に関する情報を見られることがあります。
ただし、投稿者の部署、職種、在籍時期が自分の応募先と同じとは限りません。
一つの投稿だけで会社全体を判断せず、同じ傾向の情報が複数あるかを見ます。
気になる内容は、求人票や面接で確認できる具体的な質問へ変えましょう。
口コミを含めた会社の確認方法は、「20代がホワイト企業を見極める方法|求人票・面接・口コミの見方」もあわせて参考にしてください。
離職率が高くなる背景を考える
離職率が高い場合でも、理由は一つとは限りません。
数字の背景を考えることで、自分にとって避けるべき会社なのか判断しやすくなります。
採用人数を急に増やしている
新規事業や拠点拡大によって採用人数を増やした会社では、入社者数と退職者数の両方が増えることがあります。
成長中の会社だから問題ないと決めつけることも、離職者が多いから危険と決めつけることもできません。
採用を増やした理由と、教育・配属体制が追いついているかを確認しましょう。
仕事内容の認識にずれがある
求人票の説明と実際の仕事に差があると、入社後の早い段階で退職につながることがあります。
業務内容、顧客、目標、仕事の進め方、異動の可能性を具体的に確認してください。
特に「さまざまな仕事に挑戦できる」「若手が活躍」といった表現だけでは、日常業務までは分かりません。
労働時間や休日に負担がある
残業、休日出勤、夜勤、シフト変更などが想定より多い場合、継続が難しくなる人もいます。
平均値だけでなく、繁忙期、配属先、職種ごとの違いを確認しましょう。
教育や相談の仕組みが弱い
入社後に仕事を教える人が決まっていない、質問しにくい、仕事を一度に任されるといった状況も、早期離職の一因になる可能性があります。
研修制度の名前だけでなく、配属後の指導担当者や振り返りの機会を確認することが重要です。
キャリアの選択肢が限られている
担当業務が広がらない、昇給や昇格の基準が見えない、希望する経験を積めないことから転職する人もいます。
入社直後の条件だけではなく、数年後に任される仕事や評価の仕組みを確認しましょう。
定着率が高くても確認したいこと
定着率が高いことは、長く働く社員が多い可能性を示します。
しかし、高い数字だけで自分に合う会社と判断するのは早いかもしれません。
希望する仕事を経験できるか
働きやすくても、自分が希望する職種や業務を経験できなければ、将来のキャリアに迷うことがあります。
仕事内容、担当範囲、仕事の広がり方を確認しましょう。
評価や昇給に納得できるか
長く働く人が多い会社でも、評価制度や昇給の仕組みが自分の希望と合うとは限りません。
何を基準に評価されるのか、若手社員がどのように役割を広げているのかを確認します。
人の入れ替わりが少なすぎないか
人の入れ替わりが少ない会社では、安定して働ける一方、新しい役割や管理職のポジションが生まれにくい場合があります。
もちろん、定着率が高いから昇進できないと決まるわけではありません。
組織の拡大予定、異動、役割の増え方を確認して判断しましょう。
面接で離職・定着状況を確認する質問例
離職率を質問すること自体が悪いわけではありません。
ただし、「離職率は高いですか」と聞くだけでは、具体的な情報を得にくくなります。
応募職種で長く働くために確認したいという意図を示し、対象や背景を具体化して質問しましょう。
中途入社者の定着を確認する質問
「応募職種へ中途入社した方は、どのくらいの期間働いている方が多いでしょうか」
会社全体ではなく、自分に近い立場の社員について確認できます。
募集背景を確認する質問
「今回の募集は、増員と欠員補充のどちらでしょうか。採用後に期待される役割も教えてください」
欠員補充だから問題があるとは限りません。
前任者の退職理由を詳しく聞くのではなく、募集の目的と入社後の役割を確認します。
早期離職を防ぐ取り組みを確認する質問
「入社後のミスマッチを防ぐために、配属や教育で行っていることがあれば教えてください」
会社が定着に向けてどのような課題を認識し、対策しているかを確認できます。
長く働く人の特徴を確認する質問
「この職種で長く活躍している方には、どのような共通点がありますか」
必要な能力、仕事の進め方、職場との相性を知るための質問です。
回答を聞いた後は、自分の経験や働き方と合うか考えましょう。
退職が多い時期を確認する質問
「差し支えない範囲で、中途入社した方がつまずきやすい時期や業務を教えていただけますか」
退職者を追及するのではなく、入社後に直面しやすい課題を確認する聞き方です。
会社側の説明が具体的であれば、事前に準備すべきことも考えられます。
数字と自分の退職理由をつなげて考える
離職率・定着率を見る目的は、単に長く在籍できる会社を探すことではありません。
自分が転職で変えたいことと、応募先の環境が合っているかを確認するために使います。
たとえば、現職を辞めたい理由が教育不足なら、定着率の数字だけでなく、研修や配属後の指導を確認します。
残業が理由なら、平均残業時間、繁忙期、仕事の分担を確認します。
評価への不満が理由なら、評価基準、面談の頻度、役割の広がり方を確認します。
自分が辞めたい理由と関係のない数字を集めても、転職後のミスマッチは防ぎにくくなります。
「なぜ長く働ける会社を探しているのか」を掘り下げ、その原因に関係する情報を優先しましょう。
定着状況を一人で判断しにくいときは
「キャリアのトビラ」は、20代・第二新卒の転職活動に特化した転職支援サービスです。
離職率や定着率の数字を見つけても、自分の応募職種に当てはまるのか、どの条件と合わせて考えるべきか判断しにくいことがあります。
キャリアのトビラでは、転職で変えたいことを整理し、仕事内容、教育体制、働き方、評価制度などを確認しながら企業選びをお手伝いします。
単に定着率が高い求人を選ぶのではなく、「30代になったときにどうなりたいか」から逆算して、長く働くことでどのような経験を積めるのかを考えることを重視しています。
数字の見方や応募先の比較に迷っている方は、「キャリアのトビラ」にご相談ください。
まとめ
離職率・定着率を確認するときは、割合だけで会社を判断しないことが大切です。
集計期間、対象となる社員、会社全体か配属先か、採用人数と退職人数、退職に含まれる範囲を確認しましょう。
採用人数が少ない会社では、一人の退職で数字が大きく変わることがあります。
また、定着率が高くても、希望する仕事を経験できるか、評価や昇給に納得できるかは別に確認が必要です。
面接では、離職率の数字だけを聞くのではなく、中途入社者の定着状況、募集背景、入社後につまずきやすい点、会社の改善策を質問しましょう。
数字の背景と、自分が転職で変えたいことをつなげて考えることで、長く働きながら希望する経験を積める会社を選びやすくなります。
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