キャリアのトビラ

20代の転職で希望年収をどう決める?面接での答え方と注意点

20代の転職で希望年収をどう決める?面接での答え方と注意点

2026年10月09日 15:05

「希望年収はいくらですかと聞かれても、何を基準に答えればよいか分からない」

「高く伝えると不採用になりそうだが、低く伝えて後悔するのも避けたい」

転職面接で希望年収を聞かれると、どの金額を答えるべきか迷う20代は少なくありません。

現職より高い金額を伝えた方がよいのか、求人票の上限を希望してよいのか、それとも「会社の規定に従います」と答えるべきなのか。判断材料がないまま面接を迎えると、その場の雰囲気で答えてしまうことがあります。

希望年収は、高ければよい、低ければ選考に通りやすいという単純なものではありません。

現在の年収、求人に記載された給与範囲、これまでの経験、応募先で任される仕事、生活上必要な金額を整理したうえで考える必要があります。

また、同じ年収でも、基本給、賞与、固定残業代、各種手当の内訳によって、毎月の収入や働き方は変わります。年収の合計額だけで判断しないことも大切です。

この記事では、20代が転職で希望年収を決める方法、面接での答え方、未経験転職での考え方、提示された条件を確認するときの注意点を解説します。

30秒でわかるこの記事の結論

希望年収を決めるときは、次の五つを確認します。

・現在または前職の正確な年収

・応募する求人の給与範囲

・応募先で活かせる経験やスキル

・生活を続けるために必要な最低条件

・仕事内容と今後身につけられる経験

希望年収と、これを下回ると入社が難しい最低条件は分けて考えましょう。

面接では、現年収を事実に基づいて伝え、希望額には理由を添えます。

一方で、「いくらでも構いません」「できるだけ高くしてください」といった答えでは、企業側も条件を検討しにくくなります。

年収だけで転職先を決めず、基本給、賞与、残業代、手当、昇給、評価制度まで確認することが大切です。

企業が希望年収を聞く理由

希望年収を聞かれると、「高い金額を言うと落とされるのではないか」と不安になる人もいます。

しかし、企業が確認したいのは、応募者の希望と自社が提示できる条件に大きな差がないかという点です。

企業が提示できる給与範囲と合うか確認するため

企業には、職種、役割、経験、等級などに応じた給与の基準がある場合があります。

応募者の希望年収が、企業の想定する給与範囲から大きく外れていると、選考を進めても条件が合わない可能性があります。

反対に、応募者が希望を伝えなければ、企業側もどの条件なら入社を検討できるのか分かりません。

希望年収を聞かれることは、必ずしも値下げ交渉や不採用の理由を探すことではありません。双方の条件を確認するための質問と考えましょう。

応募者が自分の経験をどう捉えているか確認するため

希望年収の根拠を聞くことで、応募者が自分の経験や応募先の仕事をどのように理解しているかを確認されることがあります。

たとえば、現職と同じ職種へ転職し、応募先でも活かせる経験があるなら、その内容を説明できます。

一方、実務経験がない職種へ応募する場合、現職の年収だけを根拠に大幅な増額を希望しても、応募先で再現できる経験とのつながりを説明できない可能性があります。

年齢だけを理由にするのではなく、応募先でどのような役割を担えるかを考えることが大切です。

入社意思を確認するため

仕事内容に魅力を感じていても、提示できる給与が生活上の最低条件を下回るなら、入社は難しくなります。

企業は選考を進める前や内定を出す前に、条件面のずれがないか確認したいと考えます。

応募者側も、選考の最後になって初めて大きな差に気づかないよう、求人票と希望条件を早めに確認しておきましょう。

まず現在の年収を正確に確認する

希望年収を考える前に、現在または前職の年収を確認します。

月々の手取り額を12倍した金額ではありません。

一般的に年収を確認するときは、税金や社会保険料が差し引かれる前の総支給額を基に考えます。ただし、企業や書類によって確認する範囲が異なる場合があるため、何を含む金額かを分かるようにしておきましょう。

源泉徴収票や給与明細を確認する

記憶だけで答えると、賞与や残業代を含めた金額が曖昧になりやすくなります。

源泉徴収票、給与明細、賞与明細などを確認し、次の内訳を把握しましょう。

・基本給

・賞与

・残業代

・役職手当や資格手当

・インセンティブなど変動する報酬

・毎月支給されるその他の手当

現職へ入社してから一年たっていない場合や、直近で昇給した場合は、前年の源泉徴収票だけでは現在の水準と合わないことがあります。

その場合は、直近の給与と賞与の予定を確認し、「前年実績」と「現在の見込み」を分けて説明できるようにします。

手取り額と年収を混同しない

手取り額は、税金、社会保険料、扶養状況などによって変わります。

企業から年収を聞かれたときに、銀行口座へ振り込まれる金額を基に答えると、認識がずれる可能性があります。

自分が話している金額が、総支給額なのか手取り額なのかを明確にしましょう。

変動する収入は分けて考える

残業代、インセンティブ、賞与は、毎年同じ金額になるとは限りません。

現年収の多くを残業代が占めている場合、転職先の基本給が上がっても、残業が減ることで年収が下がる可能性があります。

反対に、年収の合計が同じでも、基本給の割合が高くなり、収入が安定する場合もあります。

現在の年収を伝えるときは、必要に応じて「うち賞与が〇円程度」「残業代を含む」と説明できるようにしましょう。

希望年収を決める五つの基準

希望年収は、現職の金額だけを基準にする必要はありません。

次の五つを組み合わせて考えます。

1.求人票の給与範囲

まず、応募先の求人票に記載された給与を確認します。

「年収〇万円から〇万円」と書かれていても、すべての応募者が上限額で採用されるわけではありません。

経験、役割、評価基準などにより、提示される金額が決まる場合があります。

また、月給の内訳、固定残業代、賞与、手当を確認しなければ、想定年収の条件を判断できません。

求人票の上限だけを見るのではなく、自分の経験でどの位置が想定されるのかを考えます。

2.現在の年収

現職と同じ職種や近い役割へ転職する場合、現在の年収は希望条件を考える材料になります。

ただし、「転職するなら必ず現年収より上がる」とは限りません。

会社の給与制度、業界、勤務地、役割によって年収水準は異なります。

現在より高い金額を希望する場合は、応募先で活かせる経験や、任される役割とのつながりを説明できるようにしましょう。

現在の給与への不満から転職を考えているものの、転職すれば本当に年収が上がるのか迷っている方は、

「20代で年収が低いと感じたら転職すべき?年収アップの現実を解説」もあわせて読んでみてください。

3.応募先で活かせる経験

企業が給与を検討するときは、年齢だけでなく、入社後にどの仕事を任せられるかを見ます。

たとえば、同じ顧客層への営業経験、数値管理、業務改善、チームでの調整など、応募先で活かせる経験があるかを確認します。

前職で似た業務を一部経験していても、新しい職種の実務経験があることにはなりません。

経験を大きく見せず、どの部分は活かせて、どの部分は入社後に学ぶ必要があるのかを分けましょう。

4.生活上の最低条件

希望年収とは別に、生活を続けるために必要な最低条件を考えます。

家賃、食費、奨学金やローン、家族への支払い、通勤費、今後必要になる支出などを確認しましょう。

面接で必ず生活費の内訳を企業へ伝えるという意味ではありません。

自分が、どの条件までなら現実的に入社を検討できるのかを判断するためです。

仕事内容に魅力を感じても、生活が成り立たない条件では、長く働き続けることが難しくなります。

5.今後積める経験

20代の転職では、入社時の年収だけでなく、その会社で何を経験できるかも重要です。

未経験職種への転職では、最初の年収が現職を下回る場合があります。しかし、必要な経験を積み、数年後に役割や給与を上げられる可能性もあります。

一方、「将来上がるはず」という期待だけで、大幅な年収減少を受け入れるのは避けましょう。

評価基準、昇給の機会、身につく経験、数年後に担当する仕事を確認し、現実的に判断します。

希望年収と最低希望年収を分ける

希望年収を一つの金額だけで考えると、提示された条件を判断しにくくなります。

自分の中では、次の二つを分けておきましょう。

希望年収:仕事内容や経験を踏まえて実現したい水準

最低希望年収:これを下回ると生活や転職目的の実現が難しい水準

企業へ両方を必ず伝える必要はありません。

ただし、自分の基準として整理しておけば、内定後の条件を見たときに、その場の雰囲気だけで承諾することを防げます。

最低条件を決めるときは、年収の合計だけでなく、月給、賞与の確実性、固定残業代、通勤費なども確認してください。

面接で希望年収を聞かれたときの答え方

面接では、希望額だけを答えるのではなく、現在の年収と希望の根拠を簡潔に伝えます。

難しい交渉の言葉を使う必要はありません。

現年収と同程度を希望する場合

現年収を維持したい場合は、次のように伝えられます。

「現在の年収は、賞与を含めて約〇万円です。今回も同程度の年収を希望しておりますが、具体的な条件については、担当する仕事内容や貴社の規定を踏まえてご相談できればと考えております」

現在の年収を伝えつつ、金額だけで判断しているわけではないことを示しています。

ただし、本当に現年収を下回ると入社できない場合は、曖昧にせず、条件確認の段階で伝える必要があります。

現年収より高い金額を希望する場合

年収アップを希望する場合は、理由を応募先の仕事と結びつけます。

「現在の年収は約〇万円です。これまで〇〇を担当し、貴社の〇〇業務でも経験を活かせると考えているため、希望年収は〇万円程度です。最終的には、担当する役割や貴社の規定を踏まえて相談させていただければと考えております」

生活費が増えた、友人より低いといった個人的な事情だけでは、企業側が給与を検討する根拠になりにくいことがあります。

応募先で活かせる経験と、想定される役割を説明しましょう。

求人票の範囲内で希望を伝える場合

求人票の給与範囲を確認している場合は、次のように伝えられます。

「求人票に記載されている年収〇万円から〇万円の範囲を確認しております。現在の年収と、これまでの〇〇の経験を踏まえ、〇万円程度を希望しております。具体的な条件は、担当業務と評価基準について伺ったうえで相談できればと考えております」

求人票の上限を希望する場合も、上限が書かれているからという理由だけではなく、その水準に合う経験や役割を説明できるか確認します。

仕事内容を確認してから相談したい場合

一次面接など、担当業務がまだ分からない段階では、次のように伝える方法があります。

「現在の年収は約〇万円で、現時点では同程度を希望しております。ただ、入社後に担当する業務や期待される役割を確認したうえで、最終的な条件をご相談できればと考えております」

希望を完全に答えず先送りするのではなく、現時点の基準を示したうえで相談します。

未経験転職で希望年収を決めるときの注意点

未経験職種へ転職する場合、現職での経験すべてがそのまま評価されるとは限りません。

一方、未経験だから何の経験も活かせないわけでもありません。

現職の年収だけを基準にしない

現在の職種で経験を積み、手当や役職によって年収が上がっている場合、未経験職種では同じ条件が提示されないことがあります。

目指す職種の求人を複数確認し、未経験者に提示される給与範囲を把握しましょう。

一社だけの求人を見て相場だと判断しないことが大切です。

転用できる経験を整理する

未経験職種でも、顧客対応、数値管理、提案、調整、PC操作、業務改善など、活かせる経験がある場合があります。

ただし、「接客経験があるから法人営業の実務経験がある」といった説明はできません。

共通する行動や強みと、未経験で学ぶ必要がある部分を分けます。

希望年収を伝えるときも、応募先で再現できる経験を具体的に説明しましょう。

年収が下がるなら回復の道筋を確認する

未経験転職で年収が下がる場合は、その会社でどのような経験を積み、どの役割を担うと給与が上がるのかを確認します。

「若いうちは我慢すればよい」「数年後には必ず上がる」と考えるのではなく、評価制度、昇給の時期、役割の変化を具体的に見ます。

年収を下げてでも得たい経験なのか、生活を続けられる金額なのかを両方考えてください。

希望年収を答えるときのNG例

希望年収は、遠慮しすぎても、高く伝えすぎても判断しにくくなります。

「いくらでも構いません」と答える

入社できるなら金額にこだわらないと思っていても、生活に必要な金額はあるはずです。

「いくらでも構いません」と答えると、条件を考えていないように受け取られたり、内定後に金額が合わないことへ気づいたりする可能性があります。

現時点の希望を伝え、詳細は会社の規定と担当業務を踏まえて相談する方が現実的です。

「できるだけ高く」とだけ答える

高い年収を希望すること自体が問題ではありません。

しかし、金額も理由も示さず「できるだけ高く」と答えても、企業側は条件を検討できません。

希望する水準と、応募先で活かせる経験を説明しましょう。

求人票の上限をそのまま希望する

求人票に年収の幅がある場合、上限は特定の経験や役割を想定した金額である可能性があります。

上限額を希望するなら、自分の経験がどの条件に当てはまるのかを確認します。

根拠が分からない場合は、給与がどのような基準で決まるのか質問しましょう。

現年収を実際より高く伝える

条件を上げたいからといって、現在の年収を事実より高く伝えるのは避けてください。

選考中や入社手続きで書類の提出を求められ、説明との違いが分かる可能性があります。

現年収と希望年収は別のものです。現在の金額は正確に伝え、希望する金額には別途理由を示しましょう。

生活上の事情だけを理由にする

家賃や家族の事情は、自分が最低条件を考えるうえでは重要です。

しかし、企業が給与を決める際は、担当する仕事、経験、役割、社内の給与基準なども確認します。

個人的な事情だけで希望額を説明するのではなく、応募先で活かせる経験と役割を合わせて伝えます。

年収は合計額だけで比較しない

内定時に希望へ近い年収を提示されても、すぐに承諾せず、内訳を確認しましょう。

基本給と固定残業代

月給に固定残業代が含まれている場合は、金額と対象時間を確認します。

同じ月給でも、基本給と固定残業代の割合によって条件は異なります。

固定残業時間を超えた場合の扱いや、実際の残業時間も確認したい項目です。

賞与の条件

想定年収に賞与が含まれている場合は、何か月分を想定しているのか、会社業績や個人評価によって変動するのかを確認します。

求人票に前年実績が書かれていても、自分が入社した年に同じ金額を受け取れるとは限りません。

初年度の算定期間や、試用期間中の扱いも確認しましょう。

手当とインセンティブ

住宅手当、資格手当、営業インセンティブなどが年収例に含まれていることがあります。

すべての社員が受け取れるのか、条件を満たした人だけなのかを確認します。

高い成果を出した場合の年収例だけでなく、標準的な場合の収入も考えることが大切です。

昇給と評価制度

入社時の年収だけでなく、どのような行動や成果が評価され、いつ給与へ反映されるのかを確認します。

「昇給あり」という記載だけでは、対象者や金額、時期は分かりません。

20代では、その会社で経験を積んだ後に、どのような役割を任されるかも合わせて見ましょう。

給与について確認・相談するタイミング

希望年収は、できるだけ遅くまで隠した方がよいとは限りません。

企業が提示できる条件と大きな差があるなら、選考の早い段階で確認した方が、双方の負担を減らせます。

一方、担当業務や役割が分からない段階では、適切な希望額を判断できないこともあります。

面接で聞かれた場合は現時点の希望を答え、内定後は労働条件通知書などで、自分に適用される条件を確認しましょう。

条件について疑問がある場合は、内定を承諾する前に確認します。

承諾後に「想定と違った」とならないよう、口頭の説明だけでなく、書面の内容も見てください。

年収と今後のキャリアを一緒に考える

年収は、転職先を選ぶうえで重要な条件です。

無理に希望額を下げる必要はありません。一方で、入社時の金額だけを優先し、仕事内容や今後の経験を確認しないと、数年後に選択肢が広がらない可能性があります。

キャリアのトビラでは、目の前の年収だけでなく、「30代になったときにどうなりたいか」から逆算して企業を選びます。

現在より年収が上がるかだけではなく、その会社で何を経験し、どのような役割を目指せるのかを考えましょう。

キャリアのトビラでは、20代・第二新卒の転職活動に特化し、現在の年収、希望条件、これまでの経験を整理したうえで、応募先を一緒に検討します。

「自分の経験でどの年収を希望してよいか分からない」「未経験転職で年収が下がることに不安がある」という方はご相談ください。

まとめ

希望年収は、現在の年収だけでなく、求人の給与範囲、応募先で活かせる経験、生活上の最低条件、今後積める経験から決めます。

まず、源泉徴収票や給与明細を確認し、現在の年収と内訳を正確に把握しましょう。

面接では、現年収を事実に基づいて伝え、希望する金額には、応募先で活かせる経験や担当する役割とのつながりを添えます。

「いくらでもよい」「できるだけ高く」と答えるのではなく、現時点の希望を具体的に伝えることが大切です。

未経験転職では、現職と同じ年収を維持できるとは限りません。ただし、未経験だから無条件に低い金額を受け入れる必要もありません。

転用できる経験、入社後に学ぶこと、数年後の役割を確認して判断します。

内定時は、年収の合計だけでなく、基本給、固定残業代、賞与、手当、昇給、評価制度まで確認してください。

入社時の金額と、その会社で積める経験の両方を見て、自分が納得できる転職先を選びましょう。

<この記事から次に読むおすすめ記事>

希望年収を決めた後、求人票に書かれている給与や条件を詳しく確認したい方は、

「20代が転職で見るべき求人票のポイント|危ない求人の見分け方」もあわせて読んでみてください。