
20代の転職面接で他社の選考状況を聞かれたら?答え方と注意点
2026年10月09日 15:05
転職面接で「ほかに受けている会社はありますか」「現在の選考状況を教えてください」と聞かれ、どこまで正直に話すべきか迷う20代は少なくありません。
複数社に応募していると志望度が低いと思われないか、反対に1社しか受けていないと計画性がないと思われないか、不安になることもあるでしょう。
他社の選考状況を聞かれたときに大切なのは、応募社数を多く見せることでも、すべての企業に「第一志望です」と答えることでもありません。
事実を簡潔に伝えたうえで、自分がどのような基準で応募先を選んでいるのか、目の前の企業にどのような関心を持っているのかを一貫して説明することが重要です。
この記事では、企業が他社の選考状況を聞く理由、回答に含める内容、状況別の答え方、企業名や内定期限の扱い方、避けたい回答まで解説します。
30秒でわかるこの記事の結論
他社の選考状況は、基本的に事実を答えて問題ありません。
回答するときは、次の4点を順番に整理します。
・どのような業界・職種を受けているか
・何社程度がどの選考段階にあるか
・応募先に共通する企業選びの基準は何か
・目の前の企業のどこに関心を持っているか
具体的な企業名は、質問されたからといって必ず伝える必要はありません。ただし、すでに内定があり回答期限が決まっている場合は、企業側の選考日程にも関係するため、期限を早めに共有した方がよいでしょう。
応募社数や選考段階を作るのではなく、現在の状況を自分の転職理由や志望動機につなげて話すことが、納得されやすい回答につながります。
転職面接で他社の選考状況を聞かれる理由
他社の選考状況は、応募者を試すためだけの質問ではありません。
企業側は採用活動を進めるために、応募者の考え方や今後の日程を確認する必要があります。まずは質問の意図を理解しておくと、必要以上に構えずに答えられます。
企業選びの基準に一貫性があるか確認するため
企業は、他社の応募状況から「この人が何を基準に仕事を選んでいるのか」を確認することがあります。
たとえば、志望動機では「法人のお客様と長く関係を築く営業がしたい」と話しているのに、ほかに受けている仕事が接点の少ない職種ばかりであれば、志望理由とのつながりが見えにくくなります。
ただし、応募先の業界や職種がすべて同じでなければならないわけではありません。
「顧客の課題を聞いて提案する仕事」「チームで改善を重ねられる環境」など、応募先に共通する基準を説明できれば、業界が異なっていても考え方は伝えられます。
自分の企業選びの基準がまだ曖昧な場合は、「20代でキャリアがわからない|転職前に整理すべき3つの軸」もあわせて参考にしてください。
自社への関心や入社意思を確認するため
複数社の選考を受けること自体は、転職活動では珍しいことではありません。
企業が知りたいのは、複数社を受けている事実だけではなく、その中で自社をどのように見ているかです。
「御社以外にも受けています」で終わると、応募先を選んだ理由が伝わりません。
一方で、仕事内容や育成環境など、その企業に関心を持った具体的な点まで話せれば、複数社を受けていても志望度を示せます。
選考や内定を出す時期を調整するため
企業によって選考の回数や結果が出るまでの期間は異なります。
応募者が他社の最終面接を控えている場合や、すでに内定を得て回答期限がある場合、企業側が面接日や合否連絡の予定を検討することがあります。
必ず日程を早めてもらえるわけではありませんが、重要な期限を伝えなければ、企業側も事情を把握できません。
選考が進んでいるときほど、社数だけではなく日程も整理しておく必要があります。
他社の選考状況を答える基本の組み立て方
回答は長く説明しすぎず、「事実」「企業選びの基準」「現在の段階」「応募企業への関心」をつなげると整理しやすくなります。
1.応募している業界・職種を伝える
最初に、どのような仕事を中心に受けているかを伝えます。
「営業職を中心に受けています」「IT業界と人材業界で、法人向けの提案職を見ています」のように、業界名や職種名を簡潔に示します。
応募先が複数の業界に分かれている場合は、無理に一つの業界に絞っているように見せる必要はありません。
その代わり、なぜ複数の業界を見ているのか、共通する仕事内容や環境を説明できるようにします。
2.社数と選考段階を大まかに伝える
次に、「書類選考中が2社、一次面接を予定している企業が1社あります」のように、現在の段階を伝えます。
応募したばかりの企業を「選考中」と大きく見せたり、面接予定がないのに「面接が進んでいる」と話したりする必要はありません。
面接後に状況が変わることは企業側も理解しています。回答した時点の事実を伝えれば十分です。
3.応募先に共通する基準を説明する
選考状況だけでは、自分の考え方までは伝わりません。
「顧客への提案から導入後の支援まで関われること」「若手のうちから業務改善を経験できること」など、応募先を選ぶ共通の基準を加えます。
給与や休日などの条件を確認することも大切です。ただし、条件だけを並べると、仕事を通じて何を身につけたいのかが見えにくくなることがあります。
20代の転職では、入社直後の働きやすさだけでなく、その環境でどのような経験を積み、30代になったときに何ができるようになりたいかまで考えると、企業選びの基準を整理しやすくなります。
4.目の前の企業に関心を持った理由を伝える
最後に、その企業に応募した理由を一言加えます。
「その中でも御社は、既存顧客への提案と導入後の支援の両方に関われる点に魅力を感じています」のように、求人情報や面接で確認した内容と結びつけます。
ここで大切なのは、どの企業にも使える言葉ではなく、その会社でなければ当てはまりにくい理由を伝えることです。
状況別|他社の選考状況を聞かれたときの回答例
回答例は、そのまま暗記するものではありません。
業界・職種、選考段階、企業選びの基準、応募企業への関心を、自分の状況に置き換えて使ってください。
複数社の選考が進んでいる場合
「現在は法人営業職を中心に転職活動をしており、2社が書類選考中、1社が一次面接を終えた段階です。顧客の課題を聞き、継続的に提案できる仕事を基準にしています。その中でも御社は、提案後のフォローまで営業が担当する点に関心を持っています」
この例では、応募社数を伝えるだけでなく、複数社を選んだ共通の理由と、面接中の企業への関心を示しています。
実際の回答では、選考段階と関心を持った業務内容を自分の情報に変えます。
業界や職種が異なる企業を受けている場合
「IT業界のカスタマーサクセス職と、人材業界の法人営業職を受けています。業界は異なりますが、これまでの接客経験を活かして相手の要望を整理し、継続的な提案ができる仕事を軸にしています。御社では、お客様の利用状況を見ながら改善提案を行う点に魅力を感じています」
業界名が異なることを隠すのではなく、仕事内容や活かしたい経験の共通点を説明する形です。
共通点が見つからない場合は、応募先を増やす前に「自分は何を変えたいのか」「次の仕事で何を経験したいのか」を整理した方がよいでしょう。
現在受けているのが1社だけの場合
「現時点で選考を受けているのは御社のみです。転職活動を始めたばかりで、求人を比較しながら応募先を検討しています。御社には、未経験者向けの研修だけでなく、入社後に段階的に担当業務を広げる仕組みがある点に関心を持ち、応募しました」
1社だけであることは、隠す必要も不利だと決めつける必要もありません。
ただし、「ほかを探すのが面倒だったから」「何となく最初に見つけたから」ではなく、なぜその企業に応募したのかを説明します。
まだ応募していない企業を受ける予定だと作る必要もありません。
応募を始めたばかりで選考が進んでいない場合
「転職活動を始めたばかりで、現在は御社を含めて数社に応募し、書類選考の結果を待っている段階です。前職の顧客対応経験を活かしながら、提案力を身につけられる仕事を中心に見ています」
選考が進んでいないことよりも、準備をせずに応募しているように見える答え方に注意が必要です。
活動を始めた時期と、応募先を選んでいる基準を簡潔に伝えましょう。
他社から内定を得ている場合
「1社から内定をいただいており、回答期限は10月15日です。法人向けに課題解決型の提案ができる仕事を軸に見ています。御社についても、業務内容と今後身につけられる経験を理解したうえで判断したいため、選考を希望しています」
内定がある場合は、内定先の社名より、回答期限を正確に伝えることが重要です。
期限を使って回答を急がせるような言い方は避け、選考を続けたい理由とあわせて伝えます。
すでに内定先へ入社すると決めているなら、ほかの選考を続ける必要があるかも見直しましょう。
選考を辞退した企業や不採用になった企業がある場合
辞退や不採用になった企業まで、自分からすべて説明する必要はありません。
現在進んでいる選考を中心に答えます。
詳しく聞かれた場合は、「1社は業務内容を確認した結果、自分が希望する仕事との違いが分かり、辞退しました」のように事実を簡潔に伝えます。
他社の悪口や選考への不満に話を広げないことが大切です。
企業名はどこまで伝えるべきか
他社の選考状況を聞かれても、最初から企業名をすべて並べる必要はありません。
業界、職種、社数、選考段階を伝えれば、質問の意図に答えられることが多いからです。
企業名を言わなくても回答はできる
「同じ人材業界の営業職で、一次面接を予定している企業が2社あります」のように説明すれば、活動の方向性は伝わります。
企業名を聞かれた場合も、答えたくない事情があるなら、「社名は控えさせていただきますが、同じ法人営業職を中心に受けています」と丁寧に伝える方法があります。
他社から非公開の選考情報や条件を受け取っている場合は、その内容まで話さないようにします。
伝える場合も比較や順位づけだけで終わらせない
企業名を伝える場合は、「A社とB社を受けています」だけで終わらせず、なぜその企業群を選んでいるのかを説明します。
また、他社を下げて目の前の企業を持ち上げる必要はありません。
企業ごとに仕事内容や環境が異なるため、確認した内容をもとに判断していると伝える方が自然です。
「第一志望ですか」と続けて聞かれたときの答え方
他社の選考状況を答えた後に、「当社は第一志望ですか」と聞かれることがあります。
この質問でも、内定を得るためだけに事実と異なる回答を作ることは避けましょう。
第一志望であれば理由まで伝える
第一志望である場合は、「第一志望です」で終わらせず、判断の理由を続けます。
「顧客対応だけでなく改善提案まで担当できることと、面接で伺った育成の進め方が、自分の希望に最も合っているため第一志望です」のように、仕事と企業選びの基準をつなげます。
具体的な理由があることで、ほかの質問への回答とも一貫しやすくなります。
まだ比較中なら現時点の関心を伝える
選考途中で情報が足りず、順位を決められないこともあります。
その場合は、「現時点で順位を決め切ってはいませんが、御社の〇〇には強く関心を持っています。今後、△△についても理解を深めたうえで判断したいと考えています」と伝える方法があります。
曖昧な返事だけで終わらず、関心を持っている点と、判断のために確認したい点を示します。
選考は企業から評価される場であると同時に、自分が入社先を判断する場でもあります。
他社の選考状況を答えるときの注意点
短い質問ですが、事実と異なる回答や、転職理由とつながらない説明をすると、その後の質問で矛盾しやすくなります。
選考社数や内定を作らない
「ほかの企業からも評価されている方が有利かもしれない」と考え、存在しない面接予定や内定を話すのは避けましょう。
日程や回答期限を詳しく聞かれれば、説明を重ねるほど矛盾する可能性があります。
入社後の信頼にも関わるため、回答時点の事実を伝えることが基本です。
すべての企業に第一志望と言わない
志望度を伝えることと、どの企業にも同じように第一志望と答えることは別です。
企業ごとの魅力を理解していないまま「第一志望です」と繰り返すと、志望動機や逆質問とのつながりが弱くなります。
まだ比較中なら、現在の関心と判断基準を正直に伝えましょう。
「条件がよければどこでもよい」と受け取られる答え方を避ける
「給与が高い会社を受けています」「休みが多ければ業界は問いません」だけでは、仕事内容への関心や今後の方向性が伝わりません。
条件は大切ですが、仕事内容、活かせる経験、身につけたい力も一緒に考える必要があります。
自分が長く働ける環境を判断するためにも、条件とキャリアの両方を整理しておきましょう。
内定の回答期限を直前まで伝えない
他社の内定期限が迫っているのに、最終面接の最後や面接後まで伝えないと、企業が日程を調整できないことがあります。
面接日程を決める段階、または選考状況を聞かれた段階で、正確な期限を共有します。
期限が曖昧な場合は、内定先へ確認してから伝えましょう。
面接前に他社の選考状況を整理する方法
複数社へ応募していると、面接日や結果待ちの状況が変わります。
面接の直前に思い出そうとすると、社数や段階を言い間違えることがあるため、一覧にして更新しておきましょう。
整理する項目は次のとおりです。
・企業名
・応募した職種
・現在の選考段階
・次回の面接日
・結果連絡の予定日
・内定がある場合の回答期限
・応募先を選んだ理由
・入社先を判断する基準
数字を管理するだけでなく、各社に応募した理由も一言で書いておくと、他社の選考状況と志望動機をつなげやすくなります。
また、選考の途中で企業選びの基準が変わることもあります。
仕事内容を詳しく知り、「想定していた仕事とは違った」「別の職種の方が経験を活かせそうだ」と分かることは、必ずしも悪いことではありません。
変化した場合は、なぜ考えが変わったのか、現在は何を基準にしているのかを説明できるようにしましょう。
一人で選考状況と回答を整理しにくいときは
20代・第二新卒の転職では、初めて複数社の選考が同時に進み、日程管理と面接準備を両立できなくなることがあります。
また、「応募先に共通点がない気がする」「第一志望と決め切れない」「内定期限までに何を比較すればよいか分からない」と迷うこともあるでしょう。
キャリアのトビラでは、20代・第二新卒の転職活動に特化し、転職理由や企業選びの基準を整理したうえで、紹介した求人の選考準備や日程調整をお手伝いしています。
今回の内定を得ることだけを目的にせず、その仕事でどのような経験を積み、30代になったときにどうなりたいかまで一緒に考えましょう。
まとめ
転職面接で他社の選考状況を聞かれたら、応募している業界・職種、社数、現在の選考段階を事実に沿って簡潔に伝えます。
そのうえで、応募先に共通する企業選びの基準と、目の前の企業に関心を持った理由を加えることが大切です。
企業名は必ずしも伝える必要はありませんが、内定の回答期限がある場合は、選考日程に関わるため早めに共有しましょう。
複数社を受けていることも、1社だけを受けていることも、それだけで評価が決まるわけではありません。
選考状況をよく見せようとするのではなく、自分が何を変えたいのか、次の仕事で何を経験したいのかを基準に、事実と考えを一貫して伝えてください。
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