キャリアのトビラ

正社員から正社員へ転職するには?20代が比べたい条件と進め方

正社員から正社員へ転職するには?20代が比べたい条件と進め方

2026年10月22日 13:38

現在正社員として働いていても、「このまま今の会社で働き続けてよいのか」「別の会社でも正社員として採用されるのか」と迷うことがあります。

正社員から正社員への転職は、特別なものではありません。

ただし、次の会社も正社員だからといって、現在の給与、休日、仕事内容、福利厚生、働き方がそのまま維持されるわけではありません。

転職によって改善する条件がある一方、勤続年数によって得ていた休暇や待遇を失う場合もあります。

大切なのは、「正社員であること」だけを共通点にして求人を比べず、転職で変えたいことと、現在の会社で失いたくないことを分けて確認することです。

この記事では、正社員から正社員へ転職したい20代に向けて、応募前に整理する内容、求人で比べる条件、在職中の進め方、内定承諾前の確認事項を解説します。

30秒でわかるこの記事の結論

正社員から正社員へ転職するときは、次の順番で進めます。

  • 現在の仕事内容と身についた経験を整理する

  • 転職で変えたいことと維持したい条件を分ける

  • 月給ではなく年収の内訳を比べる

  • 仕事内容、勤務地、労働時間の変更範囲を確認する

  • 試用期間中を含む雇用条件を確認する

  • 賞与、退職金、福利厚生の利用条件を比べる

  • 内定後に労働条件を書面で確認してから退職を進める

正社員という名称だけでは、働き方や待遇までは分かりません。

転職先で担当する仕事と数年後に身につく経験まで確認し、現在の会社と同じ基準で比べることが重要です。

正社員から正社員へ転職するときに最初に考えること

最初に求人を検索するのではなく、なぜ転職したいのかを整理します。

転職理由が曖昧なまま求人を見ると、現在より高い月給や目立つ福利厚生だけに惹かれ、転職後に同じ悩みを繰り返す可能性があります。

転職で変えたいことを具体化する

「今の会社が合わない」という気持ちだけでは、次の会社を選ぶ基準を作れません。

何を変えたいのかを、次のように分けて考えます。

  • 仕事内容を変えたい

  • 同じ職種で担当する業務の幅を広げたい

  • 評価と給与の関係を明確にしたい

  • 残業や休日などの働き方を変えたい

  • 転勤のない環境で働きたい

  • 教育や相談の仕組みがある会社へ移りたい

  • 将来希望する仕事につながる経験を積みたい

例えば、「給与が低い」という不満がある場合も、単純に月給を上げたいのか、担当業務が増えても評価が変わらないことに納得できないのかで、確認すべき会社の制度が変わります。

転職理由を整理する方法は、「20代の転職理由の作り方|ネガティブ理由を前向きに変換する方法」もあわせて参考にしてください。

現在の会社で維持したい条件も書き出す

不満がある会社でも、すべての条件が悪いとは限りません。

転職してから現在の会社の良さに気づくことを防ぐため、維持したい条件も確認します。

例えば、次のような項目です。

  • 通勤時間

  • 年間休日と休暇の取りやすさ

  • 残業時間と繁忙期

  • 基本給と各種手当

  • 賞与や昇給

  • 転勤の範囲

  • リモートワークの利用条件

  • 仕事を教えてもらえる環境

  • 上司や同僚へ相談できる関係

現在の会社で当たり前になっている条件ほど、求人を比べるときに見落としやすくなります。

現職で改善できる問題かも考える

転職しなければ解決できない問題もあれば、異動、担当業務の変更、上司への相談によって改善できる問題もあります。

一方、会社の事業内容、勤務地、評価制度、勤務形態など、個人では変えにくい問題もあります。

現職に残ることを無条件に勧める必要はありませんが、「転職によって変えられる問題か」を考えておくと、次の会社を選ぶ基準が明確になります。

現在の正社員経験を転職でどう活かすか

20代の転職では、大きな表彰や目立つ成果だけが評価材料になるわけではありません。

現在の会社で担当した仕事、工夫したこと、身についた行動を具体化すると、応募先との接点を見つけやすくなります。

担当業務を作業名だけで終わらせない

「営業を担当」「事務を担当」「接客を担当」だけでは、実際に何ができるのかが伝わりません。

次の項目まで書き出しましょう。

  • 誰に対して仕事をしていたか

  • どのような商品やサービスを扱ったか

  • 一日にどの程度の件数を担当したか

  • どの部署や関係者と連携したか

  • 仕事で使用したシステムや書類

  • 自分で判断した範囲

  • 問題が起きたときに取った行動

同じ職種へ転職する場合も、会社によって顧客、商品、目標、仕事の進め方は異なります。

職種名が同じだから経験をそのまま活かせると考えず、応募先の仕事と共通する部分を確認してください。

実績が少なくても行動と変化を整理する

正社員として働いた期間が短い場合や、数字で示せる実績がない場合は、日々の取り組みを振り返ります。

  • 入社時と比べて一人でできるようになったこと

  • ミスを減らすために変えたこと

  • 顧客や周囲から受けた指摘への対応

  • 仕事を早く進めるために工夫したこと

  • チーム内で任されるようになった役割

経験を大きく見せるのではなく、実際に担当したことを具体的に伝えることが重要です。

応募先で活かせる経験を選ぶ

経験は、すべてを同じ量で伝える必要はありません。

応募先が求める仕事内容を確認し、関連する経験から優先して伝えます。

異業種や未経験職種へ転職する場合も、顧客対応、調整、数値管理、PC操作、提案、業務改善、チーム連携など、転用できる経験がないか確認しましょう。

ただし、似た行動を経験したことと、新しい職種の実務経験があることは同じではありません。

できることと、入社後に学ぶ必要があることを分けて考えてください。

正社員求人で現在の会社と比べたい条件

正社員求人を選ぶときは、求人票に書かれた一つの数字や言葉だけで判断しないことが大切です。

現在の会社と転職先を、同じ項目で比較します。

仕事内容と役割

最初に、入社後に担当する仕事を確認します。

「営業」「事務」「企画」などの職種名だけでなく、具体的な業務、顧客、目標、仕事の範囲まで確認してください。

あわせて、入社直後に任される仕事と、数年後に担当できる可能性がある仕事を分けて見ます。

正社員として長く働く場合、入社時の仕事だけでなく、将来どのような役割を任されるのかも重要です。

月給ではなく年収の内訳

求人票の月給が現在より高くても、必ず年収が上がるとは限りません。

次の項目を分けて比較します。

  • 基本給

  • 固定残業代

  • 職務手当や資格手当

  • 賞与の有無と算定方法

  • 昇給の仕組み

  • インセンティブ

  • 交通費や住宅手当

固定残業代を含む月給と、残業代を別途支給する月給を、金額だけで比較しないようにしましょう。

賞与も「あり」という表記だけでは、初年度の支給対象や算定期間までは分かりません。

勤務時間・休日・通勤

給与が上がっても、残業や通勤時間が大きく増えれば、生活全体の負担が重くなることがあります。

確認したいのは次の項目です。

  • 所定労働時間

  • 休憩時間

  • 平均的な残業と繁忙期

  • 年間休日

  • 休日の曜日

  • シフトや休日出勤

  • 勤務地と通勤時間

  • 転勤や出張の可能性

「完全週休二日制」と「週休二日制」のように、似ていても意味が異なる表現にも注意が必要です。

業務と勤務地の変更範囲

入社時の仕事内容や勤務地が、将来も固定されるとは限りません。

厚生労働省は、2024年4月から募集時などに明示すべき事項として、「従事すべき業務の変更の範囲」と「就業の場所の変更の範囲」を追加しています。

求人票では、厚生労働省の「募集時等に明示すべき労働条件の追加」も参考に、入社後に担当業務や勤務地がどこまで変わる可能性があるか確認しましょう。

全国転勤を伴う正社員と勤務地を限定した正社員、職種変更がある正社員と職種を限定した正社員では、将来の働き方が異なります。

試用期間中の条件

正社員採用でも、入社後に試用期間が設けられていることがあります。

次の点を確認します。

  • 試用期間の長さ

  • 試用期間中の雇用形態

  • 給与や手当の違い

  • 賞与算定期間への影響

  • 勤務地や仕事内容の違い

  • 本採用の判断方法

「試用期間あり」だけで不安になる必要はありませんが、期間中だけ契約社員になる求人や、給与が変わる求人では、条件を理解したうえで応募してください。

福利厚生と利用条件

福利厚生は、制度があるかだけでなく、いつから、どのような条件で利用できるかを確認します。

住宅手当、家族手当、資格取得支援、退職金、企業年金などは、会社によって対象条件が異なります。

現在利用している制度が転職先にない場合は、月給以外の実質的な待遇が下がる可能性があります。

転職によって引き継がれないものに注意する

別の会社へ転職すると、現在の会社で積み重ねた勤続年数は、原則として転職先へそのまま引き継がれません。

給与だけでなく、勤続年数に関係する制度も確認しましょう。

有給休暇

現在の会社で残っている年次有給休暇は、通常、別の会社へ転職してもそのまま引き継がれません。

転職先では、入社後の付与時期や付与日数を改めて確認します。

退職前にすべて取得できるとは限らないため、引き継ぎや退職日との調整が必要です。

賞与

賞与は、入社時期や査定期間によって初年度の支給額が変わる場合があります。

年2回支給と書かれていても、入社直後から満額が支給されるとは限りません。

転職初年度の想定年収を考えるときは、賞与の算定期間と支給条件を確認してください。

退職金・企業年金

退職金制度があっても、一定以上の勤続年数を支給条件としている会社があります。

現在の会社を退職した場合の扱いと、転職先で制度の対象になる時期を分けて確認しましょう。

制度の名称だけでは、将来受け取れる金額や条件までは分かりません。

社内で得ていた信用と仕事の進めやすさ

転職すると、現在の会社で築いた人間関係や、社内ルールへの理解は一度リセットされます。

新しい会社では、仕事の進め方、報告方法、使用するシステムを覚え直す必要があります。

同じ職種への転職でも、入社直後から現在と同じように動けるとは限りません。

条件面だけでなく、新しい環境へ適応する期間も考えておきましょう。

正社員から正社員への転職を在職中に進める方法

心身の状態に大きな問題がなく、仕事を続けられる場合は、在職中から転職活動を始める方法があります。

収入を維持しながら求人を比較できるため、内定を急いで承諾するリスクを抑えやすくなります。

1.退職を決める前に転職の基準を作る

まず、転職で変えたいこと、維持したい条件、今後身につけたい経験を整理します。

退職日を先に決めると、時間的な焦りから応募先の基準を下げてしまう場合があります。

ただし、心身の不調や安全上の問題がある場合は、転職活動より休養や専門機関への相談を優先する判断も必要です。

2.職務経歴書の材料を集める

担当業務、実績、工夫、社内外との連携、使用したツールなどを整理します。

会社の顧客情報や機密情報を持ち出してはいけません。

自分が担当した仕事を、公開できる範囲で説明できる形にまとめます。

3.求人を現在の会社と比較する

求人を見つけたら、現在の会社と同じ項目で比べます。

よい点だけでなく、分からない点と下がる可能性がある条件も記録してください。

応募前にすべての情報が分かるとは限りません。

求人票で確認できない内容は、面接やオファー面談で質問する項目として残します。

4.面接可能な時間を決める

在職中は、応募先との日程調整が必要です。

平日の勤務後、休憩時間、有給休暇など、無理なく面接を受けられる時間を先に確認します。

会社のパソコン、メールアドレス、電話番号は転職活動に使用しないようにしてください。

5.内定後に労働条件を書面で確認する

厚生労働省は、使用者が労働契約の締結時に、賃金や労働時間などの労働条件を明示する必要があると案内しています。

内定が出たら、厚生労働省の「採用時に明示される労働条件」も参考に、労働条件通知書や雇用契約書を確認しましょう。

口頭で聞いた説明と書面に違いがある場合は、承諾前に確認します。

入社する意思が固まってから、現在の会社の就業規則を確認し、退職の申し出と引き継ぎを進めてください。

正社員への転職で避けたい判断

転職活動では、現在の会社を辞めたい気持ちが強いほど、次の会社のよい部分だけを見やすくなります。

次のような決め方には注意しましょう。

正社員という名称だけで安心する

正社員であっても、仕事内容、給与、休日、転勤、評価、教育体制は会社ごとに異なります。

「正社員募集」「安定して働ける」という言葉だけで、長く続けられる会社とは判断できません。

実際の仕事と条件を確認することが必要です。

月給が上がるだけで転職を決める

月給が上がっても、固定残業時間、賞与、手当、休日、通勤負担まで含めると、生活全体が改善しない場合があります。

転職後の年収と働く時間を合わせて比較してください。

現職への不満と反対の条件だけで選ぶ

残業が多いから残業の少なさだけで選ぶ、人間関係に悩んだから雰囲気のよさだけで選ぶなど、一つの不満と反対の条件だけで転職先を決めないようにします。

その会社で担当する仕事や評価方法が合わなければ、別の悩みが生じる可能性があります。

内定が出た安心感だけで承諾する

在職中の転職では、仕事と選考を並行する負担から、最初の内定で活動を終えたくなることがあります。

内定を得ることは大切ですが、入社後の条件が分からないまま承諾しないようにしましょう。

転職理由と希望条件へ戻り、今回の転職で変えたいことを実現できるか確認してください。

正社員からの転職を一人で整理しにくい20代へ

正社員として働きながら転職活動を進める場合、求人を調べる時間や、現在の経験を整理する時間を十分に取れないことがあります。

また、現在の会社への不満が強いと、次の会社で本当に確認すべき条件が見えにくくなることもあります。

「キャリアのトビラ」は、20代・第二新卒の転職活動に特化した転職エージェントです。

面談では、現在担当している仕事、転職で変えたいこと、維持したい条件、将来身につけたい経験を整理します。

現在と同じ職種を続ける方法だけでなく、これまでの経験を活かせる別の企業、業界、職種も含めて選択肢を検討します。

今回の転職で内定を得ることだけを目的にせず、その会社で経験を積むことが、30代になったときの仕事の選択肢につながるかも大切にしています。

「正社員として働いているが転職すべきか迷っている」「現在の条件と求人をどう比べればよいか分からない」という段階でも構いません。

今後の働き方を整理するところから、お気軽にご相談ください。

まとめ

正社員から正社員へ転職するときは、転職で変えたいことと、現在の会社で維持したい条件の両方を整理します。

求人では、正社員という名称だけでなく、仕事内容、役割、給与の内訳、勤務時間、休日、勤務地、業務の変更範囲、試用期間、福利厚生を確認してください。

別の会社へ転職すると、有給休暇、賞与の算定期間、退職金の勤続期間、社内で築いた関係など、そのまま引き継がれないものもあります。

在職中に活動できる場合は、現在の収入と選択肢を持ちながら求人を比較できます。

内定後は労働条件通知書や雇用契約書を確認し、口頭の説明との違いがないか確かめてから、退職手続きを進めましょう。

正社員からの転職では、今の会社を離れることだけでなく、次の会社でどのような経験を積めるかまで考えることが大切です。

<この記事から次に読むおすすめ記事>

複数の条件を比べても転職先を決めきれない方は、

「20代が転職先を決めきれないときの判断基準|内定承諾前に確認すべきこと」もあわせて参考にしてください。