
20代の転職面接で『退職理由』を聞かれたときの答え方
2026年10月08日 13:00
「退職理由を正直に話すと、印象が悪くなるのではないか」
「なぜ辞めたのかを詳しく聞かれると、会社への不満ばかり話してしまいそう」
転職面接を控えた20代の方には、このような不安があるのではないでしょうか。
退職理由は、事実を変えずに、辞める判断に至った背景と次の仕事に求めることを伝えるのが基本です。最初から経緯をすべて説明する必要はありません。
この記事では、面接で最初に伝える内容、理由別の回答例、追加質問への答え方を解説します。在職中の方は「辞めたい理由」、退職済みの方は「辞めた理由」として、自分の状況に合わせて読んでください。
30秒でわかるこの記事の結論
退職理由を聞かれたら、「主な理由→背景となる事実→次に求めること」の順で、要点を伝えましょう。
不満を隠して、本音と違う理由を作らない
最初の回答は主な理由に絞り、細かな経緯は質問に応じて補う
相談や改善行動は、実際に行ったことだけを伝える
追加質問では、聞かれた点に答えてから説明を足す
応募先に合わせて、無理な働き方を約束しない
大切なのは、きれいな言葉に整えること以上に、「なぜ環境を変えたいのか」「次は何を確認して選ぶのか」が一貫していることです。
面接官は退職理由から何を確認しているのか
応募先の仕事や働き方と合っているか
退職理由は、応募先との相性を確認する材料になります。
たとえば残業が理由の場合も、一時的な繁忙期が負担だったのか、終業時刻が読めない状態が日常的に続いていたのかで、次に求める働き方は変わります。
「残業が嫌でした」だけで終わらせず、どのような状態が続き、何を変える必要があると考えたのかを説明しましょう。
どのように考えて退職を判断したか
「改善するために何かしましたか」と聞かれるのは、判断までの経緯を確認するためでもあります。
相談したことや、仕事の進め方を変えたことがあれば、実際の内容を伝えます。ただし、全員が相談や改善を試せる状況だったとは限りません。
相談先が見つからなかった、相談しづらい事情があった場合に、面接用の行動を作る必要はありません。
自分ができたこと、できなかったこと、当時の判断を分けると、説明しやすくなります。
次の会社を選ぶ理由とつながっているか
退職理由と志望動機は、同じ内容を繰り返すものではありません。
退職理由では「なぜ今の会社を離れるのか」、志望動機では「なぜ次にその会社・仕事を選ぶのか」を伝えます。
たとえば評価への不満があるなら、応募先での役割や評価の仕組みを確認していることが、会社選びの説明につながります。
まだ「何が不満なのか」「転職で何を変えたいのか」が整理できていない方は、20代の転職理由の作り方|ネガティブ理由を前向きに変換する方法もあわせて参考にしてください。
最初の回答は、退職理由の要点から伝える
主な理由を一つ決め、背景を短く添える
退職理由が複数あっても、最初にすべて並べると、何が一番の理由なのか伝わりにくくなります。
面接で話しやすい理由を選ぶのではなく、退職の判断に最も影響した理由を中心にしましょう。
たとえば、次のような形です。
「勤務時間の見通しを立てやすい環境で働きたいと考え、転職活動をしています。現職では当日の追加対応で終業時刻が変わることが続き、継続して働くうえで負担を感じるようになりました」
ここまでで、主な理由と背景が伝わります。必要に応じて、次の職場で確認していることを一文添えてください。
詳しい経緯は、追加質問に合わせて説明する
最初の回答で、入社当初からの出来事を時系列ですべて話す必要はありません。
「いつからその状況になったのですか」と聞かれたら時期を、「相談しましたか」と聞かれたら相談の有無を答えます。
先回りして説明を増やすより、相手が確認したい点に合わせて補足する方が、やり取りを進めやすくなります。
練習では、まず3〜4文で要点を話し、その後に質問を一つ受ける形を試してみましょう。これは練習の目安であり、採用の合否を決める文数や秒数ではありません。
「一身上の都合です」だけで終わらせない
履歴書の退職欄に書いた言葉だけでは、面接で判断の背景まで伝えることはできません。
「一身上の都合で退職しました」と答えた後に理由を聞かれたら、仕事や働き方に関係する範囲で説明できるよう準備します。
一方で、事情を説明するために、第三者の氏名や社内の機密情報まで話す必要はありません。判断の背景が分かる具体性を保ちながら、情報を選びましょう。
退職理由別の回答例と、補足するときのポイント
以下は架空の状況をもとにした面接練習用の例です。例文中の経験や行動は、自分が実際に経験した内容へ置き換えてください。
残業や勤務時間が理由の場合
負担になっていた働き方と、次に必要な条件を分けて伝えましょう。
[最初の回答例]
「勤務時間の見通しを立てながら、継続して働ける環境を求めて転職活動をしています。現職では、当日に追加の対応が入り、終業時刻が読めない日が続いています。次の職場では、通常期と繁忙期の働き方を確認して選びたいと考えています」
[追加で聞かれたとき]
「残業はどの程度でしたか」と聞かれたら、確認できる記録や、自分が把握している状況をもとに説明します。
正確な月平均が分からない場合は、数字を作らず、「正確な平均は確認が必要ですが、当日の延長対応が週に何度かありました」など、分かっている範囲を伝えます。
この例の材料は、終業時刻が読めない状態と、それが続いたことです。実際には休日出勤や早朝勤務が主な負担だったなら、その状況に置き換えてください。
人間関係や連携の難しさが理由の場合
相手の性格を評価する言葉より、業務で何が起きていたかを説明すると、状況が伝わりやすくなります。
[最初の回答例]
「必要な情報を共有しながら仕事を進められる環境を求めています。現職では担当間で指示が異なることがあり、確認に時間がかかって業務が止まる場面が続いていました。次の職場では、業務の分担や判断に迷った際の確認先を把握したうえで働きたいと考えています」
[追加で聞かれたとき]
「ご自身から確認はしましたか」と聞かれたら、確認した相手と内容、その後の状況を伝えます。
この例は、指示の不一致や情報共有が問題だった場合のものです。暴言や威圧的な対応などが原因だった人が、別の出来事へ言い換えるために使うものではありません。
個人を非難する表現は避けつつ、自分が受けた対応や仕事への影響を、事実の範囲で説明しましょう。
人間関係が主な理由の方は、20代で人間関係が理由で転職したいときは?面接での伝え方と注意点もあわせて参考にしてください。
給与や評価への不満が理由の場合
収入を上げたいという希望と、評価の仕組みを変えたいという希望は、分けて整理しましょう。
[最初の回答例]
「担当する役割と評価の関係を確認しながら、仕事の幅を広げていける環境を求めています。現職では新人への業務説明も担当するようになりましたが、その役割がどのように評価につながるのか分からず、今後の見通しを持ちにくいと感じています」
[追加で聞かれたとき]
「評価について上司に聞きましたか」と質問されたら、聞いたかどうかを先に答えます。制度を確認していない段階で、「成果が一切評価されない会社でした」と断定しないようにしましょう。
この例は、役割が増え、評価の見通しに悩んでいる人向けです。生活に必要な収入を確保したいことが主な理由なら、成長や評価の話へ無理に置き換える必要はありません。
希望する収入と、その条件で担当したい仕事を整理して伝えてください。
仕事内容や今後の経験が理由の場合
「やりたい仕事ができない」だけでなく、今の担当業務と、今後経験したい仕事の違いを示します。
[最初の回答例]
「問い合わせへの対応経験を活かし、今後はお客様への提案にも関わりたいと考えています。現職は決められた範囲の案内が中心で、提案業務は別部署が担当しています。お客様の状況を聞き、選択肢を考える経験を積みたいことが、転職を考えた理由です」
[追加で聞かれたとき]
「社内異動では実現できませんか」と聞かれたら、異動制度や希望を伝えた経験など、自分が確認した範囲を答えます。
まだ調べていないなら、「異動は不可能です」と言い切らず、確認できていないことを伝えましょう。
この例は、実際に提案業務へ関心がある人向けです。今の仕事を避けたい気持ちだけで、関心のない職種を志望する説明に変えないことが大切です。
退職理由を深掘りされたときの答え方
「改善するために何かしましたか?」
まず、実際に行ったことの有無を答えます。
相談した場合は、「業務量について上司に相談しました。担当の調整はありましたが、追加対応が続く状況は変わらなかったため、転職を考えました」など、行動と結果を分けて伝えます。
相談できなかった場合は、その事実と背景を説明します。
相談できなかった場合の回答例
「当時は誰に相談すればよいか整理できず、十分に相談できませんでした。今は、判断に迷った際の確認先や、業務を共有する方法を入社前に確認したいと考えています」
これは、相談先を整理できなかった場合の例です。別の事情があったなら、その事情に合わせてください。
相談しにくい状況だったことまで、自分の努力不足と決めつける必要はありません。面接に合わせて「何度も相談しました」という行動を作らないことが重要です。
「うちでも同じ状況になったら、辞めますか?」
将来の退職を絶対に否定するより、どう判断し、どう対応するかを伝えましょう。
回答例
「状況が起きたらすぐに退職を決めるのではなく、まず原因と対応できることを確認したいと考えています。業務上の相談や進め方の調整で対応できるかを考えたうえで、継続して働ける状態か判断します」
ただし、深刻な問題が起きても我慢すると約束する必要はありません。
また、残業が難しい事情があるのに「どれだけ残業しても大丈夫です」と答えると、入社後のミスマッチにつながります。実際に対応できる範囲を伝えてください。
「なぜ、今のタイミングなのですか?」
勤続年数の長さだけで答えず、判断が変わったきっかけを説明します。
担当業務が変わった、希望する経験が明確になった、働き方への負担が続いたなど、事実を時系列で整理しましょう。
「以前から悩んでいましたが、担当業務が変わったことをきっかけに、今後の働き方を具体的に考えるようになりました」といった答え方です。
実際の経緯に合わせ、最初の退職理由と矛盾しないようにします。在職中なら、まだ決まっていない退職日や入社可能日を確定したように話さないでください。
「ほかにも理由があるのではないですか?」
最初の説明が抽象的だった場合は、背景をもう少し具体的に補います。
理由が複数あるなら、「主な理由は先ほどお伝えした勤務時間ですが、担当業務の広がりが少ない点も考慮しました」など、優先順位を付けて説明できます。
一方で、相手の反応に合わせて主な理由を変えると、判断の軸が分かりにくくなります。追加の事情があることと、最初の説明を変えることは区別しましょう。
面接前に確認したい、退職理由の伝え方
事実と、自分の受け止め方を分ける
「相談の時間を設けてもらえなかった」は出来事の説明ですが、「社員を大切にしない会社だった」は会社全体への評価です。
自分が見聞きしたことと、そこから感じたことを分けて話すと、第三者にも状況が伝わりやすくなります。
不明な点は不明なままで構いません。部署全体の残業時間や会社の経営状況など、自分が確認していないことを断定しないようにしましょう。
家庭の事情などは、仕事への影響を整理する
家庭の事情で退職した場合は、退職が必要だった背景と、現在働ける条件を整理します。
事情そのものが解決したのか、勤務時間を調整すれば働けるのかによって、伝える内容は異なります。「今は問題ありません」とだけ答えるより、応募する勤務条件に対応できるかを確認しましょう。
家族の詳しい個人情報まで長く話すのではなく、仕事に関わる条件を中心に説明してください。会社の閉鎖など本人の希望によらない退職も、架空の成長意欲に置き換えず、経緯を簡潔に伝えます。
応募先の条件に合わせて、本音を変えない
面接官から「当社にも残業はあります」と言われたら、すぐに「大丈夫です」と答える前に、働き方を確認しましょう。
「繁忙期の頻度と、その時期の勤務時間の目安を教えていただけますか」と質問すれば、自分が対応できるかを考える材料になります。
退職理由を伝える場面は、自分の希望と応募先の実態をすり合わせる機会でもあります。
条件が合わない場合は、選考を通過することだけを優先せず、その会社で働き続けられるかを考えてください。
退職理由を自分の言葉で伝える準備をしたい方へ
頭の中では理由が分かっていても、面接で話すと長くなったり、質問にうまく答えられなかったりすることがあります。
その場合は、最初の回答を短くまとめ、追加質問を受けながら練習すると、説明が足りない部分に気づきやすくなります。
キャリアのトビラでは、20代の方の転職理由・志望理由・自己PRを一緒に整理し、面接対策を行っています。
退職理由の伝え方や、応募先との条件のすり合わせを一人で整理しにくい方は、キャリアのトビラへご相談ください。
まとめ
面接で退職理由を聞かれたら、主な理由と背景、次に求めることを短く伝え、追加質問に合わせて詳しい経緯を補いましょう。
相談や改善行動を作ったり、本音と違う理由に言い換えたりする必要はありません。自分が経験した事実と、今後どう働きたいかをつなげることが大切です。
まずは退職理由を3〜4文で話し、「改善のために何をしたか」「同じ状況ならどうするか」の質問に答える練習をしてみてください。
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