
20代の転職で試用期間を確認する方法|給与・雇用条件で見るポイント
2026年10月09日 13:25
「試用期間がある会社は、簡単に辞めさせられるのだろうか」
「求人票に試用期間中は条件が異なると書かれているけれど、何を確認すればよいかわからない」
転職先の求人票や労働条件通知書に「試用期間3か月」などの記載があると、不安を感じる人もいるでしょう。
しかし、試用期間が設定されていることだけで、危ない会社と判断することはできません。
大切なのは、試用期間中と本採用後で何が変わるのか、どのような基準で本採用を判断するのかを、入社前に確認することです。
この記事では、20代が転職先の試用期間について、求人票、面接、内定後に確認したい給与や雇用条件、本採用の判断基準を解説します。
30秒でわかるこの記事の結論
試用期間を確認するときは、期間の長さだけではなく、次の項目を見ます。
・試用期間中の雇用形態
・基本給、固定残業代、手当の違い
・社会保険や福利厚生の適用時期
・期間を延長する可能性と条件
・本採用を判断する基準
・研修、担当業務、働き方の違い
特に注意したいのは、「正社員として入社して試用期間が付く場合」と、「有期契約から正社員登用を目指す場合」を混同しないことです。
求人票の記載だけで判断せず、内定後は労働条件通知書や雇用契約書で、自分に適用される条件を確認しましょう。
試用期間とは何か
入社後の適性を確認する期間
試用期間とは一般に、採用した人の能力、勤務態度、仕事への適性などを会社が確認するために設ける期間です。
会社によっては、「研修期間」「見習い期間」「仮採用期間」など、別の名称が使われることもあります。
名称が異なっていても、その間に労働契約が成立し、実際に働いて給与を受け取る点は変わりません。
試用期間中だから労働者として扱われないわけではありません。
試用期間があるだけで危険とは限らない
試用期間を設けている会社はあります。
期間が設定されていること自体よりも、条件や運用が明確かどうかを見ることが大切です。
たとえば、期間中も本採用後と同じ給与や雇用形態で、期待される業務と評価の機会が説明されている会社もあります。
一方で、試用期間中だけ給与が下がる、使える制度が限られる、期間の延長条件が曖昧という場合もあります。
「試用期間あり」という一文だけで判断せず、違いを項目ごとに確認しましょう。
試用期間中でも自由に解雇できるわけではない
「試用期間中なら、会社は理由なく解雇できる」と考える人もいますが、正確ではありません。
厚生労働省の「確かめよう労働条件」では、試用期間中の本採用拒否について、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合でなければならないとする裁判例が紹介されています。
詳しくは、「厚生労働省の試用期間に関する案内」でも確認できます。
ただし、実際の判断は契約内容や個別の事情によって変わります。
入社後に不当な扱いではないかと感じた場合は、会社の相談窓口や都道府県労働局などへ相談しましょう。
試用期間と有期契約の違い
正社員の試用期間は入社時から労働契約が始まる
正社員として採用され、入社後の一定期間が試用期間になる場合があります。
この場合、試用期間が終わってから初めて入社するのではありません。
入社日から労働契約が始まり、その中に適性を確認する期間が設けられています。
求人票や書面では、雇用形態が「正社員」、契約期間が「期間の定めなし」と記載され、別項目に試用期間が示されることがあります。
有期契約からの正社員登用とは異なる
最初は契約社員として一定期間働き、その後に正社員登用を判断する求人もあります。
これは、正社員の試用期間とは契約の形が異なります。
有期契約の場合は、契約期間、更新の有無、更新基準、正社員登用の条件などを確認する必要があります。
求人の見出しに「正社員募集」と書かれていても、入社直後の雇用形態が必ず正社員とは限りません。
次の点を確認しましょう。
・入社時の雇用形態
・契約期間の定めがあるか
・正社員への切り替え時期
・切り替えに試験や面談があるか
・過去の登用実績
「試用期間後に正社員」と書かれている場合は、入社時から正社員なのか、最初は有期契約なのかを質問してください。
「試用期間」と「研修期間」も分けて確認する
試用期間と研修期間が同じ期間に設定されることもありますが、意味は異なります。
試用期間は適性などを確認する期間で、研修期間は仕事を覚えるための教育期間です。
試用期間が6か月でも、研修は最初の1か月だけという場合があります。
反対に、試用期間が終わった後も、段階的な研修や指導が続くこともあります。
それぞれの期間と内容を分けて確認しましょう。
試用期間中の条件で確認したい8つのポイント
1.期間の長さと開始日・終了日
まず、試用期間が何か月あるのかを確認します。
「3か月」と書かれている場合も、入社日から数えるのか、月末までを一つの区切りとするのかによって終了日が変わることがあります。
入社日と試用期間の終了予定日を書面で確認できると安心です。
2.期間を延長する可能性
会社の就業規則などで、試用期間を延長できることが定められている場合があります。
延長制度がある場合は、次の点を確認しましょう。
・どのような場合に延長されるのか
・最長でどの程度延長されるのか
・いつ本人へ通知されるのか
・延長中の給与や雇用条件
「状況により延長する場合があります」という説明だけでは、判断基準がわかりません。
具体的に想定されるケースを聞きましょう。
3.入社時の雇用形態
正社員の試用期間なのか、契約社員や有期契約からの登用なのかを確認します。
求人票、内定通知書、労働条件通知書に記載された雇用形態と契約期間を見比べましょう。
説明が異なる場合は、自分に適用される契約がどれかを人事担当者へ確認してください。
4.基本給と固定残業代
試用期間中だけ給与が異なる場合があります。
月給の合計だけではなく、内訳を確認しましょう。
・基本給
・固定残業代の金額
・固定残業代に含まれる時間数
・超過分の支払い方法
・本採用後に変わる金額
たとえば、求人票に月給25万円と書かれていても、試用期間中は基本給が下がることがあります。
また、固定残業代の金額や対象時間が変わる場合もあります。
試用期間中の月収と本採用後の月収を、それぞれ確認しましょう。
年収や給与条件の考え方は、「20代で年収が低いと感じたら転職すべき?年収アップの現実を解説」もあわせて参考にしてください。
5.手当と賞与
住宅手当、資格手当、営業手当、在宅勤務手当などが、本採用後から支給される場合があります。
賞与についても、試用期間中は算定対象外になる、在籍期間に応じて減額されるなどの可能性があります。
確認したいのは、次の内容です。
・試用期間中に支給されない手当
・本採用後の支給開始時期
・賞与の算定対象になる期間
・交通費の上限や支給条件
基本給だけでなく、毎月の手取りや初年度の年収に影響する項目を見ましょう。
6.社会保険と福利厚生
社会保険の加入は、会社が自由に「試用期間後から」と決められるものではなく、加入要件を満たす場合は試用期間中でも対象になります。
一方、会社独自の福利厚生には、利用開始時期が定められていることがあります。
たとえば、住宅補助、資格取得支援、特別休暇、退職金制度などです。
社会保険と会社独自の福利厚生を分けて確認しましょう。
加入条件に疑問がある場合は、年金事務所などの公的窓口へ確認する方法もあります。
7.勤務時間と働き方
試用期間中だけ、リモートワークやフレックスタイム制度を利用できない場合があります。
仕事を覚えるために出社が必要という理由で、一時的に働き方が変わることもあります。
次の点を確認しましょう。
・試用期間中の勤務時間
・リモートワークの利用開始時期
・フレックスタイム制度の対象時期
・残業や休日出勤の扱い
・本採用後に変わる働き方
入社直後の生活に影響するため、通勤時間や家庭の事情も含めて判断する必要があります。
8.担当業務と研修内容
試用期間中は、担当できる業務や顧客が限定される場合があります。
これは、仕事を覚えるための段階として自然なこともあります。
確認したいのは、期間中の業務だけでなく、本採用後にどのように担当範囲が広がるかです。
・最初に担当する仕事
・研修やOJTの内容
・一人で担当するまでの流れ
・本採用後に追加される役割
・仕事を教える担当者
試用期間が終われば自動的に難しい仕事を任されるのか、習得状況に応じて段階的に広がるのかを確認しましょう。
本採用の判断基準を確認する
何を評価されるのかを聞く
試用期間中に会社が確認する内容は、職種や会社によって異なります。
一般的には、次のような点が見られることがあります。
・基本的な勤務態度
・業務を覚える姿勢
・担当業務の正確さ
・上司や同僚との連携
・報告、連絡、相談
・職種に必要な知識や技能
・会社のルールを守れているか
ただし、企業が必ず同じ項目を評価するとは限りません。
面接や内定後の説明で、自分には何が期待されているのかを確認しましょう。
振り返りの機会があるかを確認する
試用期間の終了時に突然結果だけを伝えられるのではなく、途中で上司と振り返る機会があると、改善点を把握しやすくなります。
たとえば、次の点を聞きます。
・試用期間中に面談があるか
・誰が評価するのか
・改善点を伝えてもらえるか
・本採用の判断時期
・判断結果の通知方法
評価制度が細かく整っていることだけが重要なのではありません。
期待されることが共有され、途中で認識を合わせられるかを見ることが大切です。
未経験者は成果だけでなく習得の過程も確認する
未経験職種へ転職する場合、入社直後から経験者と同じ成果を求められるとは限りません。
一方で、「未経験だから何もできなくてよい」という意味でもありません。
研修内容を理解しているか、わからないことを確認できるか、指摘を次の仕事へ反映できるかなど、仕事を習得する過程が見られることがあります。
面接では、未経験入社者が試用期間中に目指す状態を聞いてみましょう。
面接や内定後に使える質問例
期間と延長条件を確認する質問
「試用期間は入社日から3か月という理解で合っていますか」
「試用期間を延長する制度がある場合、最長期間と判断基準を教えていただけますか」
期間だけを聞くのではなく、終了予定日や延長の可能性まで確認します。
条件の違いを確認する質問
「試用期間中と本採用後で、雇用形態、基本給、手当、勤務時間に異なる項目はありますか」
「求人票には試用期間中は月給23万円とありますが、本採用後に変わる内訳を教えていただけますか」
「リモートワーク制度は、試用期間中も利用できますか」
複数の項目がある場合は、内定後にメールで整理して確認する方法もあります。
本採用の判断基準を確認する質問
「試用期間中は、どのような業務や行動を期待されていますか」
「本採用を判断する際に、主に確認される項目を教えていただけますか」
「試用期間中に、業務の振り返りや上司との面談はありますか」
本採用されるか不安だから聞くのではなく、入社後に求められることを理解し、準備するための質問として伝えましょう。
求人票・面接・書面を照らし合わせる
求人票は応募前の条件を確認するもの
求人票では、試用期間の有無、期間中の給与、雇用形態などを確認します。
ただし、求人票は募集全体に向けた情報であり、自分に適用される最終条件とは限りません。
不明点は面接や内定後に確認する前提で整理しましょう。
面接では運用や期待される役割を聞く
面接では、書面だけではわかりにくい運用を確認します。
具体的には、試用期間中の仕事内容、研修、評価項目、面談、本採用後の役割などです。
ただし、面接官が給与や契約の詳細を把握していない場合もあります。
条件に関する最終確認は、人事担当者や内定後の書面で行いましょう。
労働条件通知書で自分に適用される条件を見る
内定後は、労働条件通知書や雇用契約書を確認します。
求人票や面接で聞いた内容と異なる場合は、自己判断で補わず、会社へ質問してください。
たとえば、次のように伝えます。
「求人票では試用期間3か月とありましたが、労働条件通知書には6か月と記載されています。私に適用される期間と、違いの理由を確認させていただけますか」
「面接では試用期間中も同じ給与と伺いましたが、書面では手当の開始時期が本採用後となっています。月額の総支給額を改めて教えていただけますか」
認識の違いを防ぐために、重要な回答はメールや書面でも確認できると安心です。
試用期間がある求人で注意したいケース
雇用形態の説明が変わる
求人票では正社員と書かれていたのに、内定後に「最初は契約社員」と説明される場合は、契約内容を慎重に確認しましょう。
正社員登用の時期や条件が曖昧なまま、口頭説明だけで入社を決めるのは避けた方がよいでしょう。
給与の内訳を説明してもらえない
試用期間中の給与が低いことだけで、問題のある求人とは限りません。
ただし、基本給、固定残業代、手当、本採用後の金額について質問しても回答が曖昧な場合は注意が必要です。
自分が受け取る金額と労働時間を理解できるまで確認しましょう。
延長条件や評価基準が曖昧
「会社が必要と判断した場合は延長します」「総合的に本採用を判断します」という説明だけでは、何を目指せばよいかわかりません。
すべてを数値化できるとは限りませんが、一般的な延長理由、評価する人、面談の有無などは確認できます。
退職を急がせる
現在の会社を退職する前に、転職先の労働条件を書面で確認することが大切です。
試用期間中の条件が不明なまま、すぐに退職届を出すよう求められた場合は、一度立ち止まりましょう。
内定承諾期限や入社日の調整が必要でも、重要な条件を確認せずに決める必要はありません。
試用期間の条件を転職判断へつなげる
試用期間中の条件が本採用後と違っていても、自分が納得できるなら、その求人を避ける必要はありません。
たとえば、最初の2か月は出社勤務でも、業務習得後にリモートワークを利用できるのであれば、受け入れられる人もいるでしょう。
一方、試用期間中の給与では生活費をまかなえない、入社時の雇用形態が希望と異なる、正社員登用の見通しが不明という場合は、慎重な判断が必要です。
次の3つに分けて考えてみましょう。
・条件の違いを理解したうえで受け入れられる
・追加の説明があれば判断できる
・自分にとって受け入れられない
試用期間があるかどうかだけでなく、その条件が自分の生活とキャリアに与える影響を考えましょう。
また、試用期間を終えることだけをゴールにせず、その後にどのような仕事を経験できるかを見ることも大切です。
20代の転職では、「30代になったときにどうなりたいか」から逆算し、次の会社で積める経験と、受け入れる条件のバランスを判断してください。
試用期間の条件を一人で判断しにくいときは
求人票、面接での説明、労働条件通知書で表現が異なると、どの条件が自分に適用されるのかわかりにくいことがあります。
また、給与や雇用形態の違いだけでなく、その会社で身につく経験まで含めて比較する必要があります。
「キャリアのトビラ」は、20代・第二新卒の転職活動に特化した転職エージェントです。
転職活動中の方に対して、求人条件を一緒に確認し、仕事内容、試用期間中の条件、入社後に求められる役割を整理します。
条件だけを見て応募を勧めるのではなく、現在の経験と希望を踏まえ、その会社でどのような経験を積めるかまで考えます。
「求人票に書かれた試用期間の意味がわからない」
「内定を承諾する前に、どの条件を確認すればよいかわからない」
という方は、「キャリアのトビラ」へご相談ください。
まとめ
試用期間があることだけで、危ない会社と判断する必要はありません。
重要なのは、期間中と本採用後の違いを具体的に確認することです。
期間の長さ、延長条件、雇用形態、給与、固定残業代、手当、社会保険、働き方、本採用の判断基準を確認しましょう。
特に、正社員の試用期間と、有期契約からの正社員登用は分けて考える必要があります。
求人票では応募前の条件を、面接では制度の運用を、労働条件通知書では自分に適用される最終条件を確認してください。
わからない条件を残したまま退職や内定承諾を急がず、自分の生活と今後のキャリアの両方から判断しましょう。
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