
法務求人の選び方|20代未経験でも応募できる?仕事内容・必要経験を解説
2026年10月09日 15:40
法務の求人を探しているものの、「どのような仕事をするのか」「未経験でも応募できるのか」と迷っていませんか。
企業法務は、契約書を確認するだけの仕事ではありません。
社内からの法律相談、コンプライアンス、社内規程の整備、株主総会の支援、知的財産の管理など、企業によって担当範囲が異なります。
また、「法務」と書かれた求人でも、法務だけを担当する場合と、総務や人事などを兼任する場合があります。
未経験から応募できる求人はありますが、法律の知識がなくても簡単に採用されるという意味ではありません。
中途採用では法務経験者を求める求人も多いため、20代が目指す場合は、現在の仕事で法務に近い経験がないかを整理し、入社後に担当できる業務を確認する必要があります。
この記事では、法務の仕事内容、未経験から応募できる可能性、活かせる経験、求人票で確認するポイントを20代向けに解説します。
30秒でわかるこの記事の結論
法務職になるために、弁護士などの資格が必須とは限りません。
ただし、未経験歓迎の求人であっても、法学部での学習、契約書を扱った経験、社内規程や法令を確認した経験などが求められる場合があります。
法務求人では、次の点を確認してください。
法務だけを担当するのか、総務や人事も兼任するのか
契約審査、コンプライアンス、商事法務など何を担当するのか
入社直後に任される業務は何か
法務部門の人数と相談できる相手がいるか
経験者の補助から始められるか
将来、どの法務分野の経験を積めるか
「未経験可」「資格不問」だけで選ばず、最初に担当する業務と数年後に身につく専門性を確認することが大切です。
企業法務はどのような仕事をする?
企業法務は、事業活動で発生する法的な問題を予防し、問題が起きたときに対応し、事業を適切に進められるよう支援する仕事です。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tagの企業法務担当」でも、契約書の作成・審査、社内の法律相談、コンプライアンス体制の整備、法改正の情報収集など、幅広い業務が示されています。
すべての企業で、同じ業務を担当するわけではありません。
契約書の作成・審査
売買契約、業務委託契約、秘密保持契約などを確認します。
事業部門が進めようとしている取引の内容を理解し、自社に不利な条件や法的な問題がないかを検討します。
契約書の文章だけを見るのではなく、取引の目的、金額、責任の範囲、契約を終了する条件などを担当者へ確認する力が必要です。
企業によっては、ひな型を使った契約書の確認から始める場合もあれば、英文契約や複雑な取引を担当する場合もあります。
社内からの法律相談
営業、企画、人事、広報などから寄せられる相談に対応します。
新しいサービスを始めて問題がないか、広告表現が法令に触れないか、顧客情報をどのように扱うべきかなど、相談内容は事業によって異なります。
法律を説明するだけでなく、相談者が何を実現したいのかを理解し、事業を進められる方法を一緒に考えることが求められます。
コンプライアンス・社内規程の整備
法令や社内ルールを守って仕事を進められるよう、規程や運用方法を整えます。
社内研修、相談窓口の運営、法改正への対応、問題が発生した場合の調査などを担当することもあります。
規程を作るだけでなく、従業員が理解して実行できる状態にすることも仕事です。
株主総会・取締役会などの支援
株主総会や取締役会の運営を法的な面から支援します。
招集通知、議事録、決議事項などの確認を行い、会社法や社内規程に沿って手続きを進めます。
上場企業では、開示やコーポレートガバナンスに関わる業務を担当する場合もあります。
求人では「商事法務」「機関法務」と表現されることがあります。
知的財産・個人情報・紛争への対応
商標、著作権、特許などの知的財産を管理する業務があります。
個人情報の管理方法を確認したり、顧客や取引先との問題が発生した際に社外の弁護士と連携したりする場合もあります。
知的財産だけを専門に扱う部署もあるため、法務求人を見るときは担当範囲を確認してください。
法務求人は会社によって何が違う?
同じ法務職でも、企業規模、事業内容、組織体制によって経験できる仕事が変わります。
職種名だけではなく、誰のために、どのような問題へ対応する仕事なのかを確認しましょう。
法務専任と管理部門兼任の違い
法務部門が独立している企業では、契約審査や法律相談などを中心に担当する可能性があります。
一方、「総務・法務」「人事・総務・法務」として募集される求人では、備品管理、労務手続き、採用、社内行事などを兼任することがあります。
幅広い管理部門業務を経験できる点はメリットですが、法務の担当割合が少ないと、専門性を積みにくい場合があります。
法務を中心にキャリアを作りたいなら、業務全体のうち法務が占める割合と、具体的な担当件数を確認してください。
大手企業と中小企業の違い
大手企業では法務部門の人数が多く、契約法務、コンプライアンス、海外法務などに担当が分かれている場合があります。
特定分野の専門性を深めやすい一方、未経験者向けの中途採用が常にあるとは限りません。
中小企業や成長企業では、一人が複数の法務業務を担当することがあります。
事業部門や経営者に近い立場で経験を積める可能性がありますが、指導できる人が少なく、入社直後から自分で判断することを求められる求人もあります。
会社の規模だけで判断せず、法務部門の人数と業務の分担を見ましょう。
国内法務と国際法務の違い
海外企業との取引がある会社では、英文契約、海外法令、現地の専門家との連携などを担当することがあります。
国際法務求人では、英語力だけでなく、英文契約を確認した経験や海外取引の知識を求められる場合があります。
英語が得意という理由だけで応募するのではなく、どの法律分野と取引に関わるのかを確認してください。
事業内容による違い
IT企業では、利用規約、個人情報、システム開発契約などを扱うことがあります。
不動産会社では、売買・賃貸契約や宅地建物取引業に関する知識が必要になる場合があります。
人材会社、金融会社、メーカーなどでも、事業に関係する法令や契約が異なります。
法務知識だけでなく、その会社の事業を理解することが重要です。
20代未経験でも法務求人へ応募できる?
未経験から応募できる法務求人はあります。
ただし、中途採用では、入社後すぐに契約審査や法律相談を担当できる経験者が優先される求人も少なくありません。
「未経験歓迎」と書かれているかだけでなく、企業がどの範囲までを未経験としているかを確認します。
法務未経験でも法律を学んだ経験を求める場合がある
実務未経験でも、法学部卒業、法科大学院修了、司法試験の学習経験などを応募条件や歓迎条件としている求人があります。
ビジネス実務法務検定などの資格を評価する企業もあります。
ただし、学歴や資格があれば必ず採用されるわけではありません。
学んだ知識を、契約や事業上の問題へどのように活かすかを説明する必要があります。
法務に近い実務経験を活かせる場合がある
法務部に所属していなくても、次のような経験が接点になることがあります。
営業として契約条件を確認した
営業事務として契約書や申込書を管理した
総務として社内規程を改定した
人事として労働関係の法令を確認した
広告やWebサイトの表現を社内基準と照合した
個人情報や機密情報を扱った
官公庁への申請や許認可手続きを担当した
顧客からの苦情を関係部署と調整した
これらは企業法務の実務経験と同じではありません。
しかし、応募先の業務と関係する事実として、何を確認し、誰と調整し、どのように記録したかを説明できます。
完全未経験なら補助業務から始める選択肢もある
法務担当者の補助、契約書の管理、押印申請、台帳の更新、法務相談の受付などから始める求人があります。
また、総務や営業事務として契約関連業務を経験し、社内異動や次の転職で法務を目指す方法もあります。
最初から高度な契約審査だけを希望するのではなく、法務に必要な正確性や事業理解を身につけられる仕事かを考えましょう。
年齢だけで有利になるとは限らない
20代は育成を前提に採用される可能性があります。
一方で、若ければ法律知識や準備がなくても採用されるわけではありません。
なぜ法務を希望するのか、どの業務に関心があるのか、現在何を学んでいるのかを具体的に説明できる状態にします。
法務求人で確認すべき7つのポイント
法務求人を比較するときは、給与や会社名だけでなく、実際に積める経験を確認します。
1.法務業務の割合
最初に、法務専任なのか、ほかの管理部門業務を兼任するのかを確認します。
兼任の場合は、法務、総務、人事などの業務割合と、繁忙期に担当がどう変わるかを聞きましょう。
求人タイトルに法務と書かれていても、契約書管理や押印事務が中心で、契約内容の審査を担当しない場合があります。
2.担当する法務分野
契約法務、商事法務、コンプライアンス、知的財産、国際法務など、担当分野を確認します。
「法務業務全般」とだけ書かれている場合は、日常的に多い相談と契約書の種類を聞くと具体化できます。
自分が積みたい経験と、企業が任せたい仕事が合っているかを見ましょう。
3.入社直後に任される業務
将来担当する可能性がある業務と、入社直後の仕事を分けて確認します。
最初は契約書の台帳管理やひな型との照合を行い、段階的に審査を担当する求人もあります。
反対に、入社直後から一人で判断することを求められる求人もあります。
未経験者は、どの順番で仕事を覚えるのかを確認してください。
4.組織人数と指導体制
法務部門の人数、上司の経験、質問できる相手を確認します。
一人法務の後任を募集する求人では、引き継ぎ期間が短く、幅広い判断を求められる可能性があります。
未経験から入社する場合は、契約書を誰が確認するのか、社外弁護士へ相談できるのかも重要です。
研修制度という言葉だけでなく、実際の確認体制を聞きましょう。
5.事業部門との関わり方
法務は、法律だけを調べる仕事ではありません。
営業や企画から相談を受け、取引やサービスの内容を理解したうえで対応します。
相談の受付方法、法務が事業会議へ参加するか、契約条件の交渉へ関わるかを確認すると、仕事の位置づけが分かります。
6.契約件数と繁忙期
月に扱う契約の件数、契約の種類、繁忙期を確認します。
件数が多いことだけで良し悪しは決まりません。
定型契約を短時間で多数確認するのか、新規事業の複雑な契約を時間をかけて検討するのかによって経験が異なります。
残業時間だけでなく、業務量が増える理由も聞きましょう。
7.数年後の担当範囲
入社後1年、3年で、どのような業務を任される可能性があるかを確認します。
契約管理から審査へ進むのか、国内契約から海外契約へ広げられるのか、リーダーや専門担当を目指せるのかを見ます。
目先の内定だけでなく、30代になったときにどの専門性を持ちたいかから求人を選びましょう。
求人票全体の確認方法は、「20代が転職で見るべき求人票のポイント|危ない求人の見分け方」もあわせて参考にしてください。
法務求人へ応募する前に準備すること
未経験から目指す場合は、資格名を増やすだけでなく、仕事への理解と現在の経験を整理します。
希望する法務分野を決める
まず、法務のどの仕事に関心があるかを考えます。
契約を通じて取引を支えたいのか、コンプライアンスや規程整備に関わりたいのかによって、見る求人が変わります。
仕事内容を十分に知らない段階では、複数の法務求人を読み、共通する業務と異なる業務を書き出してみましょう。
法律とビジネスの基礎を学ぶ
契約、会社、個人情報、知的財産など、希望業務に関係する基礎を学びます。
資格学習は、知識を体系的に整理する方法の一つです。
ただし、資格取得だけをゴールにせず、実際の企業活動でどのような問題を防ぐための知識なのかを考えてください。
現職で接点のある経験を探す
これまで扱った契約書、規程、手続き、顧客対応を振り返ります。
「契約書に触れた」だけではなく、どの項目を確認し、問題があったときに誰へ相談したかまで具体化します。
守秘義務がある内容や取引先名は、応募書類に詳しく書かないよう注意してください。
求人ごとに不足する経験を確認する
応募条件を、必須条件と歓迎条件に分けます。
必須条件を満たさない場合でも応募できるとは限りませんが、歓迎条件をすべて満たすまで待つ必要もありません。
自分にある経験、現在学んでいること、入社後に身につける必要があることを分けて整理します。
法務求人の選考では何を伝える?
選考では「法律に興味がある」だけで終わらず、仕事として法務を選ぶ理由を伝えます。
なぜ法務を希望するのか
資格を活かしたい、専門性を身につけたいという理由だけでは、応募先で何をしたいのかが伝わりません。
現職で契約条件を確認した経験から取引を支える仕事に関心を持ったなど、興味を持ったきっかけを具体化します。
そのうえで、法務のどの業務を担当したいかを説明しましょう。
なぜその会社の法務なのか
同じ法務でも、会社の事業によって扱う問題が異なります。
応募先の事業、顧客、取引形態を調べ、その会社で経験できる法務業務と志望理由をつなげます。
知名度や待遇だけではなく、求人に書かれた担当範囲を根拠にしてください。
これまでの経験をどう活かすか
正確な事務処理、顧客への説明、複数部署との調整、期限管理など、法務でも活かせる行動があります。
ただし、一般的な事務や営業の経験を、法務実務の経験があるように見せてはいけません。
担当した事実と、法務としてこれから学ぶ必要があることを分けて伝えましょう。
職務経歴を具体的にまとめる方法は、「20代向け職務経歴書の書き方|経験が浅くても評価される構成」も参考にしてください。
法務求人への応募を慎重に考えたいケース
法務に関心があっても、求人の内容や現在の準備によっては、すぐに転職しない方がよい場合があります。
資格を取れば採用されると考えている
資格は知識を示す材料になりますが、実際の業務では事業理解、社内調整、正確な文章作成も必要です。
資格を取得することだけを目的にせず、求人で求められる経験との違いを確認しましょう。
法律だけを扱う仕事だと考えている
法務は、営業や企画などから事情を聞き、事業上の目的と法的なリスクを整理する仕事です。
一人で文書を読む時間だけではなく、関係者との打ち合わせや期限の調整もあります。
人と関わらず専門知識だけを使いたいと考えている場合は、仕事の実態を改めて確認してください。
法務の担当割合を確認していない
未経験可の求人では、総務や営業事務と兼任することがあります。
幅広い経験を積みたい人には合う可能性がありますが、法務を専門にしたい人には担当量が不足する場合があります。
職種名ではなく、実際の業務割合で判断しましょう。
指導者がいない求人へ未経験で応募する
一人法務や責任者候補は、幅広い業務を担当できる一方、経験者を想定していることがあります。
「裁量が大きい」という表現だけで選ばず、最終判断者と相談先を確認します。
未経験から始めるなら、レビューを受けながら業務を覚えられるかが重要です。
法務への転職を一人で決めにくい方へ
法務求人は、職種名が同じでも、担当分野、兼任業務、組織体制、求められる経験が異なります。
未経験可と書かれていても、法律を学んだ経験を求めるのか、契約に触れた実務経験を求めるのかによって応募の現実性が変わります。
法務へ転職したいものの、現在の経験を活かせるか、どの求人を選ぶべきか分からない20代・第二新卒の方は、
「キャリアのトビラ」へご相談ください。
キャリアのトビラは、20代・第二新卒の転職に特化した転職エージェントです。
法務という希望だけで求人を決めず、これまで担当した仕事、法律を学んだ経験、希望する働き方を整理します。
そのうえで、現在の経験から法務を目指せるのか、総務や営業事務などで契約関連の経験を積むルートも考えるべきかを一緒に検討します。
また、目先の入社だけではなく、30代でどのような専門性を持ちたいかから、最初に選ぶ仕事を考えます。
求人紹介の可否を含め、現在の選択肢を整理する段階からご相談いただけます。
まとめ
法務の仕事には、契約書の作成・審査、法律相談、コンプライアンス、社内規程、商事法務、知的財産などがあります。
企業によっては法務だけを担当せず、総務や人事などを兼任します。
未経験から応募できる求人はありますが、資格不問や未経験歓迎が、法律知識や準備を必要としないという意味ではありません。
法学部での学習、契約書や社内規程を扱った経験、関係者との調整など、応募先と接点のある経験を整理しましょう。
求人では、法務業務の割合、担当分野、入社直後の仕事、組織人数、指導体制、契約件数、数年後の担当範囲を確認します。
資格や会社名だけで選ばず、入社後にどの実務経験を積み、30代でどのような専門性を持ちたいかから判断することが大切です。
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