
介護職の転職はどう進める?同業種・異職種を選ぶ判断基準
2026年10月16日 16:03
「介護の仕事を続けるか、違う仕事へ転職するか迷っている」
「今の施設は辞めたいけれど、介護の仕事自体が嫌なのかはわからない」
「介護職の経験を、一般企業への転職でどう伝えればよいのだろう」
介護職から転職する場合、選択肢は一つではありません。
別の介護施設へ移る、施設形態や働き方を変える、介護業界の周辺職種へ移る、一般企業の異職種へ挑戦するといった進み方があります。
大切なのは、つらいから介護職を辞める、経験があるから介護職を続けると、すぐに結論を出さないことです。
現在の悩みが職場を変えることで解決するのか、介護職そのものから離れる必要があるのかを整理してから転職先を選びましょう。
この記事では、介護職として働く20代に向けて、介護職から介護職へ転職する場合と、異職種へ転職する場合の判断基準、求人の確認項目、介護経験の活かし方を解説します。
30秒でわかるこの記事の結論
介護職からの転職では、最初に「職場を変えたいのか」「仕事そのものを変えたいのか」を切り分けます。
次の順番で考えると判断しやすくなります。
現在の職場でつらいことを書き出す
介護の仕事で続けたいことも確認する
職場を変えれば解決する問題か考える
介護職を続ける場合は施設形態と勤務条件を比較する
異職種へ移る場合は介護経験を一般的な仕事の力に言い換える
入社直後の条件だけでなく、数年後に積める経験を見る
在職中に求人を比較し、退職を急ぎすぎない
人間関係、夜勤回数、人員体制、教育方法などは、職場によって異なります。
これらが主な悩みであれば、介護職を続けながら環境を変えることで解決できる可能性があります。
一方、身体介助そのものから離れたい、土日休みの働き方を優先したい、別の専門性を身につけたい場合は、異職種への転職も検討できます。
介護職から転職したい理由を整理する
転職先を考える前に、現在の職場で何に困っているのかを整理します。
「介護職がつらい」という一言だけでは、職場を変えるべきか、仕事を変えるべきか判断できないからです。
職場に関する悩み
次のような悩みは、勤務先を変えることで改善する可能性があります。
職員同士の人間関係が悪い
人員不足で一人あたりの負担が大きい
夜勤の回数が希望より多い
休憩を取りにくい
教育担当者が決まっていない
評価基準や昇給条件がわからない
施設の介護方針に納得できない
通勤時間が長い
同じ介護職でも、施設形態、利用者の状態、人員配置、勤務体制によって働き方は変わります。
今の職場が合わないことと、介護職そのものが合わないことを混同しないようにしましょう。
介護の仕事そのものに関する悩み
一方、次のような悩みは、職場だけを変えても残る可能性があります。
身体介助を長く続けることに不安がある
夜勤やシフト勤務から離れたい
利用者の生活を支える仕事にやりがいを感じにくい
感情面の負担が大きい
介護以外の専門性を身につけたい
一般企業で働いてみたい
土日休みの働き方を優先したい
ただし、「夜勤があるから介護職を辞める」とすぐに決める必要はありません。
デイサービスなど夜勤のない職場もあるため、働き方を変える選択と異職種へ移る選択を比較します。
介護職で続けたいことも確認する
嫌なことだけでなく、今の仕事で続けたいことも書き出してください。
利用者と継続的に関われる
相手の変化を近くで支えられる
チームで情報を共有して働ける
資格や経験を積み重ねられる
人の役に立っている実感がある
現場で判断する力が身につく
続けたいことが介護の仕事に強く結びついているなら、介護職を続けながら職場を変える方法が考えられます。
反対に、続けたいことが「人と関わる」「相手の話を聞く」など別の仕事でも実現できるなら、異職種も候補になります。
介護職から介護職へ転職する場合の選び方
介護職を続ける場合は、給与や施設名だけで職場を選ばないことが重要です。
現在の悩みを繰り返さないために、施設形態、利用者層、勤務体制、人員配置を確認します。
施設形態による仕事の違いを確認する
介護職の仕事内容は、働く場所によって異なります。
たとえば、特別養護老人ホームでは、生活全般の介助や夜勤を担当することがあります。
デイサービスでは、日中の介護、送迎、レクリエーションなどが中心となり、夜勤がない求人もあります。
訪問介護では、利用者の自宅を訪問し、一人で対応する場面が多くなります。
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅でも、利用者の状態や施設の運営方針によって業務内容が変わります。
施設名だけで判断せず、次の内容を確認してください。
身体介助と生活援助の割合
利用者の要介護度
夜勤の有無と回数
送迎業務の有無
レクリエーションの頻度
記録方法
看護職やリハビリ職との連携
一人で対応する場面の多さ
自分が続けたい業務と負担に感じる業務を分け、求人内容と照らし合わせます。
人員体制と業務量を見る
「職員同士で協力できる職場」「手厚い介護」と書かれていても、実際の業務量は求人票だけでは判断できないことがあります。
面接や職場見学では、次の点を確認しましょう。
一つの時間帯に何人の職員がいるか
一人が担当する利用者数
夜勤は何人体制か
急な欠勤が出た場合の対応
入浴介助や食事介助の進め方
記録業務を行う時間が確保されているか
残業が発生しやすい業務
単純な職員数だけでなく、利用者数や必要な介助の内容とのバランスを見ることが大切です。
夜勤とシフトの実態を確認する
夜勤ありと書かれている場合は、回数と時間帯まで確認します。
月の平均夜勤回数
夜勤専従者がいるか
夜勤明けの勤務
希望休の申請方法
シフトが確定する時期
連続勤務の考え方
子育てや通院への配慮
「夜勤は相談可能」と記載されていても、入社後にどの程度調整できるかは職場によって異なります。
自分が希望する働き方を具体的に伝え、現実的に続けられるか確認しましょう。
教育と資格取得支援を見る
介護職として経験を積みたい場合は、研修や資格取得支援も確認します。
入社後の研修期間
独り立ちまでの流れ
教育担当者の有無
外部研修への参加
資格取得費用の補助
資格取得後の手当
リーダーや管理職へのキャリア
「資格取得支援あり」だけでは、対象資格、費用負担、勤務扱いになるかまではわかりません。
制度の具体的な利用条件まで確認してください。
介護職から異職種へ転職する場合の考え方
異職種へ転職する場合は、介護の経験を捨ててゼロから始めるわけではありません。
介護現場で行ってきたことを、応募先でも伝わる言葉に変える必要があります。
介護経験から活かせる力を整理する
介護職では、次のような経験を積んでいます。
利用者の話や希望を聞く
表情や行動の小さな変化に気づく
相手に合わせて説明方法を変える
家族や他職種と情報を共有する
記録を正確に残す
優先順位を考えて複数の業務を進める
急な体調変化や予定変更に対応する
安全に配慮しながら仕事を進める
これらは、傾聴力、観察力、調整力、記録力、状況対応力、安全管理などとして整理できます。
ただし、「コミュニケーション能力があります」だけでは具体性がありません。
どのような状況で、誰と関わり、どのように行動したのかを説明できるようにしましょう。
異職種では実務経験がないことも理解する
介護職で顧客対応に近い経験があっても、営業職やカスタマーサポートの実務経験があることにはなりません。
介護記録を作成していても、一般事務のすべての業務を経験しているわけではありません。
転用できる経験と、入社後に学ぶ必要があることを分けて伝えることが大切です。
たとえば、次のように整理します。
「介護記録や申し送りを通じて、必要な情報を正確に整理し、複数の職員へ共有してきました。一般事務としての実務経験はありませんが、この経験を活かしながら、応募先で必要なPC操作や事務処理を身につけたいと考えています」
経験を大きく見せるのではなく、接点と不足している部分の両方を理解していることが重要です。
転職先は仕事内容から選ぶ
介護職から異職種へ移る場合、候補になり得る仕事には次のようなものがあります。
営業職
カスタマーサポート
コールセンター
人材業界の仕事
福祉用具に関わる仕事
一般事務や営業事務
販売職や接客職
介護施設の運営・採用に関わる仕事
ただし、介護経験がある人なら誰にでも向いている職種ではありません。
たとえば営業職では、対人対応だけでなく、目標管理、提案、顧客開拓などが発生します。
事務職では、PC操作、正確性、処理速度、社内調整などが求められます。
職種名のイメージではなく、実際の一日の仕事を確認して選びましょう。
具体的な転職先や強みの整理方法は、「介護職から異業種へ転職したい20代へ|活かせる強みとおすすめ職種」でも詳しく解説しています。
同業種と異職種のどちらを選ぶか判断する質問
同業種と異職種で迷ったときは、次の質問に答えてみてください。
介護の仕事でやりがいを感じる場面はあるか
利用者との関わりや生活支援にやりがいを感じているなら、介護職を続けながら環境を変える方法があります。
やりがいを感じる場面がほとんどなく、別の仕事で実現したいことがあるなら、異職種を検討する理由になります。
ただし、疲労が強い時期には、仕事の良い部分を感じにくくなることもあります。
一時的な疲れなのか、継続的な違和感なのかを分けて考えてください。
職場を変えれば悩みは解決するか
人間関係、夜勤回数、通勤時間、教育体制などが主な悩みであれば、別の介護施設で改善する可能性があります。
身体介助、シフト勤務、介護業務そのものが合わないと感じる場合は、職場だけを変えても同じ悩みが残る可能性があります。
現在の悩みを、職場固有の問題と職種共通の問題に分けましょう。
異職種で何を実現したいか説明できるか
「介護職から離れたい」だけでは、異職種を選ぶ理由として十分ではありません。
法人向けの提案経験を積みたい
PCを使った業務の専門性を高めたい
土日休みの働き方へ変えたい
顧客の問題解決に継続して関わりたい
数字や成果が評価に反映される環境で働きたい
異職種で何を変え、何を身につけたいのかまで考えると、応募先を選びやすくなります。
介護職から転職するときの進め方
方向性が決まっていなくても、すぐに退職する必要はありません。
可能であれば在職中に情報を集め、同業種と異職種の求人を比較しましょう。
現在の経験を書き出す
まず、これまでの仕事内容を整理します。
施設形態
担当した利用者数
身体介助と生活援助の内容
夜勤やリーダー業務の経験
記録方法
家族対応
他職種との連携
新人指導
改善したこと
取得資格
大きな実績がなくても、担当した業務、工夫したこと、できるようになったことは書けます。
異職種へ応募する場合も、介護職として何をしてきたかを具体的に説明することが出発点です。
職務経歴書の組み立て方は、「20代向け職務経歴書の書き方|経験が浅くても評価される構成」もあわせて参考にしてください。
同業種と異職種の求人を実際に比較する
頭の中だけで考えると、どちらがよいか決められないことがあります。
同業種と異職種の求人をそれぞれ見て、次の項目を比較してください。
仕事内容
活かせる経験
新しく学ぶこと
給与
勤務時間と休日
入社後の教育
数年後のキャリア
異職種へ移ると、入社時の給与が下がる場合や、未経験者として学び直す必要がある場合もあります。
一方、介護職を続ける場合でも、職場によって業務負担やキャリアの選択肢は異なります。
実際の求人を比較したうえで判断しましょう。
退職理由と志望動機をつなげる
面接では、介護職を辞めたい理由だけでなく、次の職場で何を実現したいかを確認されることがあります。
介護職を続ける場合は、現在の職場で変えたいことと、応募先で実現できることをつなげます。
異職種へ移る場合は、介護職への不満を並べるのではなく、介護経験を通して気づいた希望と、応募職種を選ぶ理由を説明します。
事実と異なる前向きな理由を作る必要はありません。
本音の不満を掘り下げ、転職によって何を変えたいのかを自分の言葉で整理してください。
介護職を続けるか異職種へ移るか迷っている20代へ
「キャリアのトビラ」は、20代・第二新卒の転職活動に特化した転職支援を行っています。
介護職を続けるか、一般企業の異職種へ移るか決めきれない方は、「キャリアのトビラ」へご相談ください。
面談では、介護職を辞めることを前提にせず、現在の仕事で負担に感じていること、続けたいこと、希望する働き方を整理します。
異職種を検討する場合は、介護現場で身につけた傾聴、調整、記録、状況対応などの経験を整理し、どの仕事で活かせるかを一緒に考えます。
また、入社時の働きやすさだけでなく、「30代になったときにどうなりたいか」から逆算し、次の職場で身につけたい経験まで確認します。
方向性が決まった後は、求人の比較、応募書類の添削、面接対策まで転職活動の段階に合わせてお手伝いします。
まとめ
介護職からの転職には、別の介護施設へ移る方法と、異職種へ移る方法があります。
どちらを選ぶ場合も、現在の職場が嫌だからという理由だけで決めず、悩みの原因を整理することが大切です。
人間関係、夜勤回数、人員体制、教育方法などが問題なら、介護職を続けながら職場を変えることで改善できる可能性があります。
身体介助そのものから離れたい、働き方を大きく変えたい、別の専門性を身につけたい場合は、異職種への転職も選択肢です。
介護職で培った経験は異職種でも活かせますが、新しい職種の実務経験があることにはなりません。
活かせる経験と学ぶ必要があることを分け、仕事内容と数年後のキャリアを確認して転職先を選びましょう。
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