キャリアのトビラ

20代の退職意思の伝え方|上司への切り出し方・引き止め・引き継ぎを解説

20代の退職意思の伝え方|上司への切り出し方・引き止め・引き継ぎを解説

2026年10月09日 13:10

転職先が決まった後も、現在の会社へ退職を伝えるという大きな手続きが残っています。

「上司にいつ伝えればよいのか」「強く引き止められたらどうしよう」「退職理由は正直に話すべきか」と不安になる人もいるでしょう。

退職を進めるときに大切なのは、上司に納得してもらうためのきれいな理由を作ることではありません。

雇用契約や就業規則を確認したうえで、退職の意思と希望日を明確に伝え、会社と引き継ぎや有給休暇の日程を調整することです。

ただし、雇用期間の定めがあるか、会社の手続きがどう定められているか、心身の状態に問題がないかによって対応は変わります。

この記事では、20代が退職意思を伝える前の準備、上司への切り出し方、引き止めへの対応、引き継ぎまでの進め方を解説します。

30秒でわかるこの記事の結論

退職を伝える前に、雇用契約、就業規則、転職先の労働条件、入社予定日を確認しましょう。

そのうえで、原則として直属の上司に時間を取ってもらい、次の内容を伝えます。

  • 退職する意思

  • 希望する退職日

  • これまでの感謝

  • 引き継ぎへ協力する姿勢

退職理由を細かく説明して上司を説得することより、意思を曖昧にしないことが大切です。

引き止めを受けた場合も、その場で条件を受け入れず、転職を考えた原因が本当に解消されるかを確認します。

退職意思を伝える前に確認すること

退職の申し出をしてから、転職先の条件や入社日に問題があることへ気づくと、調整が難しくなります。

まず、現在の会社と転職先の情報を分けて確認します。

転職先の内定と労働条件を確認する

転職先から口頭で内定を伝えられただけなら、退職を申し出る前に正式な通知と労働条件を確認します。

特に確認したいのは、次の項目です。

  • 雇用形態

  • 業務内容

  • 就業場所

  • 給与と手当

  • 勤務時間と休日

  • 試用期間

  • 入社予定日

「内定が出たから」と急いで退職を伝えた後に、希望していた条件と違うことが分かる場合があります。

不明点があるなら、承諾前または退職を申し出る前に転職先へ質問しましょう。

現在の雇用契約と就業規則を確認する

雇用契約に期間の定めがあるか、退職手続きが就業規則でどのように定められているかを確認します。

就業規則には、退職を申し出る時期、提出書類、手続きの窓口などが書かれている場合があります。

「法律上は2週間前に伝えれば必ず問題ない」「会社が3か月前と決めているから絶対に従わなければならない」と、情報の一部分だけで判断しないようにしましょう。

厚生労働省の労働契約に関する資料では、期間の定めがない労働契約と、期間の定めがある労働契約で退職の考え方が異なることが説明されています。また、就業規則の退職手続きも確認する必要があります。

契約内容や会社との話し合いによって個別の判断が必要になるため、トラブルが予想される場合は公的な相談窓口や専門家へ相談してください。

入社日から逆算して日程を考える

転職先の入社日だけを先に確定すると、現職の退職日と重なったり、引き継ぎ期間を確保できなかったりすることがあります。

次の予定を並べて確認しましょう。

  • 上司へ退職意思を伝える日

  • 希望する最終出勤日

  • 引き継ぎに必要な期間

  • 有給休暇について相談する期間

  • 退職日

  • 転職先の入社日

退職日と最終出勤日は同じとは限りません。

有給休暇を取得する場合は、最終出勤後に退職日を迎えることもあります。希望を一方的に決めるのではなく、残日数と引き継ぎ予定を確認して会社と調整します。

退職意思は誰に、いつ伝えるか

通常は、最初に直属の上司へ伝えます。

同僚へ先に話すと、本人から伝える前に噂として上司へ届き、調整が難しくなることがあります。

まず直属の上司へ時間を取ってもらう

上司が忙しい場所で突然「会社を辞めます」と切り出すのではなく、個別に話せる時間を依頼します。

例えば、次のように伝えます。

「今後の勤務についてご相談したいことがあります。お時間をいただけないでしょうか」

この段階で、メールやチャットに退職理由をすべて書く必要はありません。

対面勤務なら会議室など周囲に聞かれにくい場所、リモート勤務なら個別のオンライン面談を依頼します。

繁忙期だけを理由に先延ばしにしない

繁忙期や大きな案件の途中では、退職を伝えにくいと感じるかもしれません。

可能であれば業務への影響を考慮しますが、「落ち着くまで」と先延ばしにすると、転職先の入社日に間に合わなくなることがあります。

会社にとって都合のよい時期が必ず訪れるとは限りません。

必要な申し出の時期を確認し、引き継ぎへ協力できる日程を提示したうえで伝えましょう。

上司へ伝えにくい事情がある場合

直属の上司からハラスメントを受けている、退職の話を取り合ってもらえない、心身の不調で直接話すことが難しいなど、通常の手順では進めにくい場合もあります。

その場合は、人事部門、上司の上司、社内相談窓口などへ連絡する方法を検討します。

身の安全や健康に関わる場合は、円満な伝え方より自分を守ることを優先してください。

現在の職場環境に問題があり、退職前の準備から確認したい方は、

「20代でブラック企業を辞めたいと感じたら?退職前にやるべき準備」もあわせて参考にしてください。

上司へ退職意思を伝える基本の流れ

面談では、会社への不満をすべて説明するより、退職意思と日程を先に伝えます。

話す内容を短くメモしておくと、緊張しても要点がずれにくくなります。

感謝の後に退職意思を伝える

基本の流れは次のとおりです。

  1. 時間を取ってもらったことへのお礼

  2. 退職を決めたこと

  3. 希望する退職日

  4. 引き継ぎへ協力する意思

例えば、次のように伝えます。

「お時間をいただき、ありがとうございます。今後のキャリアについて検討した結果、退職することを決めました。就業規則と引き継ぎ期間を確認し、〇月〇日を退職希望日としてご相談したいと考えています。これまでお世話になったことに感謝しております。引き継ぎについては、業務に支障が出ないよう準備します」

これは、そのまま暗記するための模範回答ではありません。

自分の希望日、会社の手続き、実際に可能な引き継ぎ期間に合わせて変更してください。

「退職したい」ではなく意思を明確にする

すでに退職を決めているのに、「辞めてもよいでしょうか」「退職しようか迷っています」と相談の形にすると、上司は問題を解決すれば残ってもらえると受け取ることがあります。

会社に残る可能性も含めて相談したいなら、相談として話して構いません。

一方、意思が固まっているなら、「退職することを決めました」と明確に伝えます。

希望退職日を一方的に確定させない

退職意思は明確にしつつ、引き継ぎや社内手続きの日程は会社と調整します。

「明日から来ません」と突然伝えると、取引先や同僚への引き継ぎができず、トラブルになりやすくなります。

ただし、心身の不調や安全上の問題があり、通常勤務を続けることが難しい場合は別です。医療機関や公的相談窓口も利用し、自分だけで無理に調整しないようにしてください。

退職理由はどこまで伝えるべきか

退職理由を伝える目的は、会社のすべての問題を指摘することでも、上司を納得させることでもありません。

退職意思と必要な手続きを進められる範囲で説明します。

本音をすべて話す必要はない

給与への不満、人間関係、評価制度、仕事内容など、複数の理由が重なって転職を決めることもあります。

不満を一つずつ並べると、上司から改善案を提示され、退職するかどうかの議論に変わる場合があります。

「今後取り組みたい仕事を考え、転職を決めました」「働き方と今後のキャリアを検討した結果です」など、判断の軸を簡潔に伝えてもよいでしょう。

ただし、事実と違う家庭事情や健康上の理由を作る必要はありません。

会社への批判だけで終わらせない

退職の場で不満を強く伝えても、残りの勤務期間の関係が悪化するだけで、問題が解決しないことがあります。

制度や職場環境について意見を求められた場合は、感情的な評価ではなく事実を伝えます。

例えば、「評価されませんでした」だけでなく、「担当業務が増えましたが、評価基準と昇給条件を確認できない状態が続きました」と整理します。

転職先の会社名を無理に伝えない

転職先を聞かれても、必ず会社名まで詳しく説明しなければならないとは限りません。

必要なら「入社先との関係もあるため、現時点では詳細を控えます」と伝えます。

一方、競業避止、秘密保持、取引先との関係などを確認する必要がある場合は、契約内容を見直し、判断できなければ専門家へ相談してください。

引き止められたときの判断基準

上司から、昇給、異動、業務変更、休職などを提案されることがあります。

提案を受けること自体が悪いわけではありませんが、その場の申し訳なさだけで退職を撤回しないようにしましょう。

転職を考えた原因が解消されるか

まず、退職を考えた理由を振り返ります。

  • 仕事内容を変えたい

  • 労働時間を見直したい

  • 評価や役割に納得できない

  • 人間関係や職場環境に問題がある

  • 別の職種で経験を積みたい

  • 健康上、現在の働き方を続けにくい

提示された条件が、この原因を具体的に解消するのかを確認します。

「今後考える」「状況を見て改善する」という口頭の説明だけでは、実施時期や内容が分かりません。

異動時期、役割、給与、勤務方法など、確認できる内容は具体化しましょう。

その場で返事をしない

予想していなかった提案を受けたら、「一度持ち帰って確認します」と伝え、転職先の条件と比較します。

退職を撤回した後に再び転職したいと考えても、同じ転職先へ入社できるとは限りません。

転職先の内定を辞退する可能性があるなら、感情だけで判断せず、仕事内容、条件、数年後に得られる経験まで確認してください。

情に訴える引き止めと業務調整を分ける

「今辞めると仲間に迷惑がかかる」「若いのに我慢が足りない」と言われることがあります。

引き継ぎに協力することと、退職の意思を変えることは別です。

担当業務、期限、引き継ぎ先を整理して会社への影響を減らしつつ、退職意思は明確に伝えましょう。

退職すること自体が怖くなり、判断を進められない方は、「20代で会社を辞めるのが怖いと感じたら?不安を減らす転職活動の進め方」もあわせて読んでみてください。

退職願・退職届を提出するときの注意点

会社によって、退職願、退職届、社内申請フォームなど、必要な書類が異なります。

インターネット上のテンプレートを印刷する前に、就業規則や人事部門の案内を確認します。

会社指定の手続きを確認する

口頭で上司へ伝えた後、書面を提出する流れになることがあります。

提出先、提出時期、書式、押印の要否などを確認しましょう。

退職願と退職届は、会社の運用によって扱いが異なる場合があります。名称だけで判断せず、会社から指定された手続きと、自分が提出する書類の内容を確認します。

控えと連絡記録を残す

書類を提出した日、話し合った相手、合意した退職日などを記録します。

メールで確認できる場合は保存し、紙の書類は提出前に控えを取っておきます。

通常の手続きが進んでいれば過度に構える必要はありませんが、認識の違いを防ぐために記録は役立ちます。

引き継ぎと有給休暇を調整する

退職日が決まったら、最終出勤日から逆算して引き継ぎ計画を作ります。

「後任者が決まってから始める」のではなく、担当業務を先に一覧にしておきましょう。

引き継ぐ業務を見える形にする

次の内容を整理します。

  • 定期的に行う業務

  • 進行中の案件と期限

  • 顧客や関係部署の連絡先

  • 保存場所と使用するシステム

  • 判断が必要になる条件

  • 過去に起きた問題と対応方法

  • 退職日までに完了できない仕事

操作手順だけでなく、「どのような場合に誰へ確認するか」まで残すと、後任者が判断しやすくなります。

個人情報や会社の機密情報を、自分の私物端末や個人アカウントへ保存してはいけません。会社が指定する場所と方法で引き継ぎます。

有給休暇は早めに相談する

残っている有給休暇の日数を確認し、希望する取得期間を会社へ伝えます。

退職直前に突然すべての日を休みにすると、引き継ぎとの調整が難しくなる場合があります。

退職意思を伝える段階で、最終出勤日と退職日の希望を分けて相談しましょう。

有給休暇に関して会社と認識が合わない場合は、社内の人事部門や公的相談窓口へ確認します。

会社の物とデータを返却する

社員証、保険証、パソコン、携帯電話、鍵、制服、書類など、会社から借りているものを確認します。

自分が作成した資料でも、会社の業務で使用するデータを無断で持ち出してはいけません。

私物や個人アカウントを業務で使っていた場合は、必要なデータの移行方法を会社へ確認し、勝手に削除しないようにしましょう。

退職手続きが進まないときの相談先

上司が話を聞かない、退職届を受け取らない、長期間の勤務を一方的に求められるなど、話し合いが進まない場合があります。

その場合は、感情的なやり取りを続けず、契約書、就業規則、提出書類、会社との連絡記録を整理します。

厚生労働省の「総合労働相談コーナー」では、解雇、雇止め、配置転換、賃金などを含む幅広い労働問題の相談窓口が案内されています。

雇用契約の期間、退職の申し出方、会社とのやり取りによって必要な対応は異なります。インターネット上の一般論だけで判断せず、個別事情を説明して相談してください。

心身の不調がある場合は、退職手続きだけでなく医療機関への相談や休養も優先します。

退職と入社までの日程を一人で整理しにくいときは相談する

転職では、内定を得ることだけでなく、現職の退職日と転職先の入社日を無理なくつなぐ必要があります。

退職を急ぎすぎると引き継ぎができず、遅すぎると転職先の入社日に影響することがあります。

また、引き止めを受けたときは、現職に残る場合と転職する場合の条件を冷静に比較しなければなりません。

20代の転職についてキャリアの判断を一人で整理しにくい場合は「キャリアのトビラ」へご相談ください。

まとめ|退職意思と日程を明確にして引き継ぎを進めよう

退職を伝える前に、転職先の内定条件、現在の雇用契約、就業規則、希望する入社日を確認します。

そのうえで、原則として直属の上司へ個別に時間を取ってもらい、退職する意思と希望日を明確に伝えましょう。

退職理由は、上司を説得するために細かく作り込む必要はありません。事実と違う理由を作らず、今後のキャリアや働き方を検討した結果として簡潔に説明します。

引き止めを受けた場合は、その場で返事をせず、転職を考えた原因が具体的に解消されるかを確認してください。

退職日が決まった後は、進行中の仕事、関係者、期限、判断方法を整理し、有給休暇と最終出勤日を会社と調整します。

通常の方法で手続きが進まない場合や契約上の判断が必要な場合は、連絡記録を残し、公的相談窓口や専門家を利用しましょう。

<この記事から次に読むおすすめ記事>

転職先が決まる前に退職すべきか、在職中に活動を続けるべきか迷っている方は

「20代で仕事を辞めたいけど次がない|後悔しない行動手順」もあわせて参考にしてください。