
キャリアコンサルタントの年収はどれくらい?働く場所・雇用形態による違いを解説
2026年10月09日 15:32
キャリアコンサルタントへの転職や資格取得を考えるとき、年収がどのくらいになるのか気になる人は多いでしょう。
インターネット上では平均年収が紹介されていますが、その数字だけで自分の転職後の年収を判断することはできません。
キャリアコンサルタントは、民間の人材紹介会社、企業の人事部門、学校、公的な就労支援機関など、働く場所によって業務と給与の仕組みが異なります。
国家資格を持つ人が、必ず「キャリアコンサルタント」という職種名で働いているとも限りません。
この記事では、公的統計を確認するときの注意点、勤務先や雇用形態による年収の違い、未経験から収入を上げるために必要な経験まで解説します。
30秒でわかるこの記事の結論
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、キャリアカウンセラー・キャリアコンサルタントに対応する職業分類の全国平均年収として583.3万円が掲載されています。
ただし、この数字はキャリアコンサルタントだけを切り分けた統計ではありません。平均年齢も41.7歳であり、未経験で転職する20代の初年度年収を表したものでもありません。
実際の年収は、次の条件で変わります。
勤務先と担当業務
正社員・契約社員・パート・独立などの働き方
営業目標やインセンティブの有無
人材紹介、採用、人事、教育などの実務経験
法人営業や求人開拓も担当するか
管理職や専門職として担う範囲
国家資格を取得するだけで年収が上がるとは限りません。
資格に加えて、相談、求人理解、企業への提案、採用、研修など、勤務先が必要とする実務を担当できるかが重要です。
キャリアコンサルタントの年収データ
job tagに掲載されている平均年収
厚生労働省の「キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント|職業情報提供サイト job tag」には、令和7年賃金構造基本統計調査を加工した全国の年収として583.3万円が掲載されています。
同じページに掲載されている平均年齢は41.7歳、労働時間は月158時間です。
また、令和6年度のハローワーク求人統計では、求人賃金の全国平均が月額24.8万円とされています。
平均年収と求人賃金に差があることからも、一つの数字だけで転職後の給与を予測できないことがわかります。
平均年収583.3万円を見るときの注意点
job tagは、この統計が必ずしもキャリアコンサルタントだけのデータではないと説明しています。
対応する職業分類には、医療・福祉施設を除くカウンセラーなどが含まれます。
そのため、「国家資格キャリアコンサルタントを取得すれば、平均年収583.3万円になる」と理解するのは適切ではありません。
平均年齢が41.7歳であることから、経験を積んだ人や管理的な役割を担う人の給与も含まれていると考える必要があります。
求人賃金は募集時点の条件
job tagに掲載された月額24.8万円は、令和6年度のハローワーク求人における求人賃金です。
実際の年収を考えるときは、月給だけでなく、賞与、固定残業代、各種手当、インセンティブなどを確認します。
月給が同じでも、賞与の有無や固定残業時間によって年収と働き方は変わります。
「キャリアコンサルタント」と「キャリアアドバイザー」の違い
キャリアコンサルタントは国家資格の名称
キャリアコンサルタントは、職業選択、職業生活設計、能力開発などについて相談に応じ、助言や指導を行う専門家です。
「キャリアコンサルタント」と名乗るには、試験などの要件を満たしたうえで、キャリアコンサルタント名簿へ登録する必要があります。
資格は名称独占であり、資格を取得していない人がキャリアコンサルタントと名乗ることはできません。
キャリアアドバイザーは企業ごとに使われる職種名
人材紹介会社などでは、求職者の相談、求人紹介、選考支援を行う担当者を「キャリアアドバイザー」と呼ぶことがあります。
キャリアアドバイザーとして働くために、国家資格キャリアコンサルタントが必須とは限りません。
求人によっては、営業経験、販売経験、目標管理、顧客対応などが応募条件になります。
仕事内容と給与制度を分けて確認する
名称が似ていても、業務内容は勤務先によって異なります。
相談業務が中心なのか、求人紹介や選考調整も行うのか、企業への営業まで担当するのかを確認してください。
人材紹介会社では、個人やチームの売上目標があり、成果が賞与やインセンティブへ反映される場合もあります。
働く場所によって年収が変わる理由
民間の人材紹介会社
人材紹介会社では、転職希望者との面談、求人紹介、応募書類の確認、面接対策、選考調整などを担当します。
会社によっては、求人企業への営業や採用要件の確認も同じ担当者が行います。
給与は基本給と賞与で構成される場合もあれば、成約実績などに応じたインセンティブが設定される場合もあります。
成果によって年収を上げられる可能性がある一方で、面談件数、推薦数、決定数、売上などの目標管理が発生することがあります。
「人を支援できる仕事」という面だけでなく、営業や目標への対応も確認しましょう。
人材派遣会社
派遣社員の仕事探し、就業開始までの調整、就業後のフォローなどを担当する場合があります。
派遣先企業への営業、契約更新、就業条件の調整を兼ねる求人もあります。
求職者との相談だけではなく、企業との継続的な関係づくりやトラブル対応が必要です。
企業の人事部門
企業内で従業員のキャリア面談、研修、配置、能力開発などに関わる働き方です。
キャリア相談だけを専門に担当する求人は限られ、採用、研修、人事制度、労務などと兼務する場合があります。
年収は、その企業の給与水準、人事としての経験、役割、役職などに左右されます。
資格だけでなく、人事や組織開発の実務経験が評価されることがあります。
大学・専門学校などの教育機関
学生の進路相談、応募書類の添削、面接対策、求人情報の案内、就職支援イベントなどを担当します。
勤務先によって、正社員、契約社員、業務委託など雇用・契約形態が異なります。
学生対応に加えて、企業との連携、就職実績の管理、ガイダンスの企画などが含まれる場合があります。
ハローワークなどの公的な就労支援
求職相談、職業紹介、応募支援、セミナーなどに関わります。
勤務条件は募集元や雇用形態によって異なり、任期や契約更新が定められている求人もあります。
相談業務の内容だけでなく、雇用期間、更新条件、手当、賞与を確認しましょう。
独立・フリーランス
個人向け相談、企業との契約、研修講師、セミナー、執筆などを組み合わせて活動する方法です。
料金を自由に設定できる一方で、相談者や契約先を自分で獲得する必要があります。
売上から、集客費、会場費、システム利用料、保険、税金なども負担します。
資格を取得してすぐに安定した収入を得られるとは限りません。
雇用形態による収入の違い
正社員
毎月の給与と賞与を中心に、安定した収入を得やすい働き方です。
相談業務以外に、営業、採用、研修、数値管理、チーム運営などを担当することがあります。
昇給や役職登用の条件も確認しましょう。
契約社員
学校や就労支援機関などで見られる働き方です。
正社員と近い時間で働く場合でも、契約期間、更新上限、賞与、退職金などが異なる可能性があります。
月給だけでなく、契約終了後のキャリアも考える必要があります。
パート・短時間勤務
相談窓口や教育機関などで、勤務日や時間を限定して働く場合があります。
時間単価が高く見えても、勤務日数が少なければ年間収入は限られます。
社会保険の加入条件や、繁忙期による勤務時間の変化も確認します。
業務委託
面談1件、研修1回、契約期間などを基準に報酬が決まる働き方です。
仕事がない期間の報酬は発生せず、準備や記録作成の時間が報酬へ含まれるかも契約によって異なります。
雇用契約ではないため、有給休暇、雇用保険、会社負担の社会保険なども同じ条件ではありません。
20代未経験の年収を左右する経験
法人営業・個人営業の経験
人材紹介会社では、求職者の希望を聞くだけでなく、求人企業への提案や選考の調整も行います。
相手の課題を聞き、提案し、結果を振り返った経験は活かせる可能性があります。
販売・接客経験
販売・接客では、相手の希望を確認し、選択肢を説明する経験があります。
ただし、商品を案内することと、人生に関わる職業選択を支援することは同じではありません。
守秘義務、相談記録、労働市場の知識など、新たに学ぶ内容があります。
採用・人事経験
求人作成、面接、入社手続き、研修などの経験は、企業側の採用事情を理解する材料になります。
企業内キャリア支援を目指す場合も、人事業務の経験が評価されることがあります。
目標管理と業務改善の経験
民間企業では、面談や紹介の品質だけでなく、件数や売上の目標を管理することがあります。
目標に対して行動を振り返り、改善した経験を説明できると、仕事への理解を示しやすくなります。
特定業界・職種の知識
IT、製造、医療、営業など、特定分野の採用や仕事に詳しいことが強みになる場合があります。
ただし、キャリアの選択肢を一方的に決めつけず、相談者本人が判断できるよう支援する姿勢が必要です。
国家資格を取得すれば年収は上がるのか
資格だけで昇給するとは限らない
国家資格キャリアコンサルタントは、相談に必要な知識や技能を学んだことを示す材料になります。
一方で、資格手当や昇給制度がなければ、取得しただけで給与が上がるとは限りません。
応募先が資格を必須としているのか、歓迎条件なのか、入社後の取得を支援しているのかを確認します。
受験資格を得る方法が決められている
キャリアコンサルタント試験を受けるには、厚生労働大臣が認定する養成講習を修了する方法や、一定の実務経験を満たす方法などがあります。
受講を検討するときは、最新の受験要件、受講費用、学習時間、登録・更新に必要な手続きを公式情報で確認してください。
資格取得の目的を決める
転職に必要だから取得するのか、現在の人事・営業業務へ相談技法を活かすのか、将来独立したいのかによって意味が変わります。
「資格があれば仕事に困らない」と考えず、どこでどのように使うかを先に考えましょう。
キャリアコンサルタントとして年収を上げる方法
相談以外の実務範囲を広げる
求人企業への提案、研修企画、採用、人事制度、チーム運営などを担当できると、役割が広がります。
何でも担当するのではなく、自分の専門性と勤務先が評価する役割を確認しましょう。
得意分野を作る
若年層、管理職、女性のキャリア、特定業界など、支援分野を深める方法があります。
得意分野は肩書きだけで決めず、実務経験、継続的な学習、支援実績を積み重ねます。
法人への提案力を身につける
企業の採用課題や人材育成の課題を理解し、サービスを提案できる力は、民間企業や独立時に役立つ場合があります。
相談者への支援と企業への提案では、求められる視点が異なります。
マネジメントへ進む
チームの数値管理、メンバー育成、業務改善などを担当し、管理職を目指す方法です。
相談件数が多いだけでなく、支援品質と事業運営の両方を見る必要があります。
複数の仕事を組み合わせる
独立後に、個人相談、法人研修、セミナー、執筆などを組み合わせる方法があります。
ただし、仕事の獲得が安定するとは限りません。副業規定、集客方法、必要経費を確認し、段階的に準備しましょう。
年収だけで転職先を選ばないための確認項目
相談と営業の割合
1日の面談件数、求人紹介、企業営業、選考調整など、それぞれの割合を確認します。
相談だけを想像して入社すると、実際の業務との違いを感じる可能性があります。
評価制度と目標
面談件数、推薦数、決定数、売上、利用者満足度など、何が評価されるかを確認します。
数字だけを追うのか、支援品質をどのように確認するのかも重要です。
固定残業代とインセンティブ
月給に固定残業代が含まれる場合は、対象時間と超過分の扱いを確認します。
インセンティブは、支給条件、計算方法、個人・チームのどちらで決まるかを見ます。
担当する相談者
20代の転職、管理職、学生、再就職支援など、担当する人によって必要な知識が変わります。
自分の経験を活かせるかだけでなく、どの分野を学びたいかも考えましょう。
入社後の研修と相談体制
面談への同席、記録の確認、事例検討、上司への相談など、支援の品質を高める仕組みがあるかを確認します。
相談者の人生に影響する仕事だからこそ、一人で判断を抱え込まない体制が重要です。
30代で担う役割
相談の専門性を高めるのか、企業営業を担当するのか、人事へ進むのか、チームを管理するのかを考えます。
目先の年収だけでなく、その会社で積める経験が将来の選択肢につながるかを確認してください。
キャリアコンサルタントに向いている人
相手の話を聞くだけで終わらない人
相談者の希望を聞くことは重要ですが、求人、労働市場、必要な経験などの情報も整理する必要があります。
希望を無条件に肯定するのではなく、選択肢と難易度を一緒に考えられる人が向いています。
継続して学べる人
採用市場、職種、労働制度、学び直しの選択肢などは変化します。
資格取得後も情報を更新し、相談内容に応じて学ぶ姿勢が必要です。
目標と支援品質の両方を考えられる人
民間の人材会社では、事業として売上や決定数を求められる場合があります。
目標を無視せず、相談者にとって適切な選択を支援するバランスが必要です。
自分の価値観を押しつけない人
年収、大手企業、転職することだけが正解ではありません。
相談者の経験、生活、希望、将来像に応じて、複数の選択肢を一緒に考える必要があります。
人材業界の仕事全体を確認したい方は、「20代未経験から人材業界へ転職するには?向いている人の特徴」もあわせて参考にしてください。
キャリア支援の仕事へ転職するか迷ったら相談する
キャリアコンサルタントやキャリアアドバイザーへ関心があっても、相談中心の仕事と営業を含む仕事では、求められる経験や給与制度が異なります。
「キャリアのトビラ」では、20代・第二新卒の転職活動に特化した転職支援を行っています。
「人を支援したい」という希望だけで職種を決めず、営業、接客、調整、数値管理などの経験を整理し、どの仕事なら活かせるかを一緒に考えましょう。
仕事内容、目標、評価制度、将来積める経験を確認しながら応募先を検討します。
今回の転職でキャリア支援の仕事へ入ることだけを目的にせず、そこで何を経験し、30代でどのような支援や役割を担いたいかまで考えることが大切です。
資格取得と転職のどちらを先に進めるか迷っている方や、人材業界の仕事が自分に合うかわからない方は、キャリアのトビラへご相談ください。
まとめ
job tagには、キャリアカウンセラー・キャリアコンサルタントに対応する職業分類の平均年収として583.3万円が掲載されています。
ただし、キャリアコンサルタントだけの年収ではなく、平均年齢も41.7歳であるため、未経験の20代がそのまま受け取れる年収ではありません。
年収を判断するときは、次の点を確認しましょう。
勤務先と担当業務
雇用・契約形態
月給、賞与、固定残業代、インセンティブ
相談と営業の割合
資格手当や昇給制度
入社後に積める経験
30代で担える役割
国家資格は専門知識を示す材料になりますが、取得するだけで年収が上がるとは限りません。
相談、営業、採用、人事、研修など、資格と組み合わせる実務経験まで考えて転職先を選びましょう。
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